ウクライナ女性スナイパー、最前線で出会った兵士と「戦場の結婚式」

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「ウクライナのジャンヌダルク」の異名を取る女性スナイパーが、戦争の最前線で出会った同僚の兵士と戦地で結婚し、話題を呼んでいる。

エフゲニア・エメラルド(Emerald Evgeniya)さん(31)は、ウクライナ軍特殊作戦部隊に所属する名うてのスナイパー。14日、ハリコフ州の前線の森の中で結婚式を挙げた。

ニューヨークポスト紙によると、お相手は、同じ特殊作戦部隊に所属する兵士、エフゲニー・スティパンヤクさん。式は2人の上司である軍の大将が取り持ったという。

エメラルドさんはインスタグラムに結婚式の写真を投稿。森林の中で、白のウエディングドレス姿でブーケに見立てた麦の穂の束を持ったエメラルドさんと、銃を片手に迷彩服姿で寄り添うスティパンヤクさんの2ショットは、どこかミスマッチでありつつも、仲睦まじさと互いの軍人としての誇りを象徴するかのように見える。

式を挙げた10月14日は、退役軍人や戦死した兵士に敬意を表する「ウクライナ防衛者の日」でもあり、スティパンヤクさんの誕生日だという。

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エメラルドさんは写真に添えたコメントで「パーフェクトな日。これ以上の結婚式は考えられません」と喜びをつづり、「今日、私は正式に軍人の妻になりました。戦いの最前線で、ウクライナ軍の大将に式を行っていただいた」と感慨深さをにじませた。

「すべての兵士たちを祝いたい。ヒーローたちに栄光を!そして、私の愛する人に。だって今日は彼の誕生日だから。今後、結婚記念日を忘れることは絶対にないはずよ」とつづった。

2人の出会いは2月、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、出向いた先の戦地で知り合って間もなく交際をスタート。8月には婚約し、将来を誓い合った。

ロシアとの戦争以前、エメラルドさんは宝石業界で働いていたが、侵攻により安寧な暮らしが脅かされると、軍に加わることを決めた。最終的に、ウクライナ軍の特殊作戦部隊に配属され、スナイパーとして任務に従事した。

ウクライナでの戦争は今、新たな局面を迎えている。クリミア半島とロシアを結ぶ唯一の交通経路、ケルチ大橋で起きた大規模な爆発をきっかけに、ロシア軍は先日ウクライナ全土の都市を一斉に爆撃。市街地のインフラ施設を集中的にミサイルで攻撃し、民間人にも犠牲が出た。

17日にもウクライナの首都キーウの市街地が、「カミカゼドローン」とも言われるイラン製の突入型無人爆撃機による攻撃を受け、建物などが破壊されたほか、民間人少なくとも4人が死亡した。