「従業員はマスク禁止」米人気バーガーチェーンの新ルールが物議

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米国では今年5月、「公衆衛生上の緊急事態」の宣言は終了したものの、マスクを巡る議論は、今も続いている。

カルトな人気を誇るハンバーガーチェーン店「イン・アンド・アウト」(In-N-Out)が、8月より、従業員に対するマスク着用を禁止するという。

ネットに出回った通達文によると、マスク禁止令は来月14日より、同社が展開する7州のうち、カリフォルニアとオレゴン以外の5州(アリゾナ、コロラド、ネバダ、テキサス、ユタ)の店舗で施行される。

同社は、新規定について、従業員と顧客の間の「明瞭かつ効果的なコミュニケーションの促進」を目的とするもので、「顧客サービスや、われわれの従業員の笑顔、顔の特徴を表す能力の重要性を強調するため」と説明している

健康上の理由で、マスクの着用を続けたい場合は、医師の診断書をマネージャーや人事部門に提出する必要がある。承認されると、会社がN-95マスクを支給するという。

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繰り返しルールを破った場合は、解雇を含む懲戒処分が科せられる可能性もあると明記されており、かなり厳格な規則のようだ。

専門家から非難

感染症の専門医ジュディ・ストーン氏は、従業員の健康を脅かすうえ、疾病対策センターの規定に違反すると非難。同社にクレームを入れるよう電話番号とウェブサイトのアドレスをシェアした。著名な疫学者エリック・フェイグル・ディン博士も、同社に抗議するようTwitterで呼びかけた。

一般人からも「笑顔なんかどうでもいい。客と従業員の安全を守れ」「家族やスタッフ自身の免疫力が低下していても、In-N-Outは気にしない」「他の企業が、危険な労働条件を従業員に押し付けることにつながる」「人権侵害」などの非難が殺到した。ほかには「飲食店はの髪のネットや手洗い同様、マスクも永久に義務化すべき」といった提案や、「個人の自由を主張していた右派の人たちは、これに反対しないの?」などの皮肉が投稿されている。

一方で、マスク反対派からは「In-N-Outが今まで以上に好きになった」と支持を表明する声が上がった。

なお、In-N-Outはパンデミック期間中、地元政府が定める新型コロナウイルスの規則に違反し、閉店を命じられたこともある。

カリフォルニア州のサンフランシスコ店やプレザントヒル店では2021年、顧客に、ワクチン接種証明証の提示を求めるのを怠ったとして、一時閉店を余儀なくされていた。

サンフランシスコ店の閉鎖命令を受け、同社の最高法務およびビジネス責任者のアーニー・ウェンシンガー氏は、「政府のワクチン警察になることを拒否する」と、政府の方針に従わない声明を発表。ワクチン接種の義務化は、政府による過干渉と主張するワクチン反対派から、賞賛の声が上がっていた。