超人気バーガーチェーン店も撤退、オークランド「全米で最も危険」なエリア

102

米国の人気ハンバーガーチェーン店「イン・アンド・アウト」(In-N-Out)が、カリフォルニア州ベイエリアのオークランドにある店を3月に閉店する計画を明らかにした。

カルトな人気を誇るイン・アンド・アウトは、西海岸を中心に全米で約400店舗を展開する。昨年12月、アイダホ州に初めてオープン店舗では、8時間待ちの行列ができるなど熱狂ぶりが話題となった。また、ヘンリー王子は自らお気に入りの店と語っている。

閉鎖するのは、オークランド国際空港付近にある店舗(住所:8300 Oakport St)。18年前にオープンし、地元住民から親しまれてきた。

デニー・ワーニックCOOは、犯罪が後を経たないためと閉店の理由を語った。CBSニュースによると、同氏は声明で、オークランドの店は「全店舗の中で、最も賑わっており、収益性の高い店舗の一つ」と述べる一方、「何度も安全対策を講じてきたが、顧客や従業員は、定期的に車上荒らしや物的損害、盗難、強盗被害にあっている」と説明。「顧客と従業員の安全と幸福が最優先」であり「危険な環境を訪れたり、働いたりすることを求めることはできない」と撤退の理由を述べた。

「全米一危険」なガソリンスタンドも

サンフランシスコ・クロニクル紙は、同店の周辺では2019年以降、1,335件の事件が発生しており、オークランドで最も犯罪多発地域と伝えている。

Advertisement

大半は車上荒らしで、空港を訪れる旅行者を狙ったものだという。同地域にあったスターバックスは昨年末に閉店。フライドチキンチェーン店「レイジング・ケインズ」は、ドライブスルーのみの営業へと切り替えた。

シェルのガソリンスタンド(住所:285 Hegenberger Rd)は、不名誉なことに、旅行サイトで「米国で最も危険なガソリンスタンド」と紹介されている。Googleのレビューにも、被害にあったユーザーから窓ガラスが破られた写真とともに「ここは利用するな」などの警告が多数投稿されている。

地元の警察官は、同ガソリンスタンド周辺の1平方マイル以内は「1日に10数回以上」事件が発生すると英紙デイリーメールに語っている。

オークランドでは「スマッシュ・アンド・グラブ強盗」と呼ばれる犯行は、「非暴力犯罪」に分類されているためだと説明。「われわれは追跡することができない」と事情を明かした。

ガソリンスタンドに停車するレンタカーが狙われるケースが多い。犯人らは、運転手が給油を始めると、窓を破って車に侵入し、車内やトランクから貴重品を奪う。わずか2分の停車の間に強盗にあった被害者もいる。

グルメインフルエンサーのキース・リー(Keith Lee)氏も先日、サンフランシスコやオークランドのベイエリアを訪れた際、街の荒廃した様子を目の当たりにし「今のところ旅行者の行く場所ではない」と嘆く動画が話題となった。

以前から危険なエリアがあることでオークランドだが、同地を訪れる際は、車内に貴重品を置き去りにせず、空港周辺での給油を控えるなど、一層の警戒が必要になりそうだ。