3日の朝に続き夜にも3発の弾道ミサイルを発射するなど、挑発をエスカレートさせる北朝鮮への対応について、政治サイトポリティコは、米当局者や専門家らの声を紹介している。

米国防総省が公表した資料によると、同日、ロイド・オースティン国防長官は韓国の李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防相との協議の中で、北朝鮮による米国や同盟国への核攻撃は「金正恩体制の終焉につながる」と話した。

同サイトのインタビューに匿名で答えた政府高官は、北朝鮮に責任を負わせる追加措置の可能性を検討していると明かしたという。

これに対して、AP通信の元平壌支局長のジャン・リー氏は、罰や脅迫によって、北朝鮮がミサイル発射をやめるか疑問だと指摘。「金正恩氏は話し合う段階にない。まず最初に完成させたい兵器の項目表がある」と、北朝鮮が方針を変更する可能性に厳しい見解を示した。

政権内部でも意見が異なる。火曜日の時点で、ある高官は、北朝鮮は「非常に厄介な政策課題」だと話しつつ、「望んでいる状況ではまったくないが、これに代わる状況は、米国と同盟国にとって、世界にとってはるかに悪いものだ」と語っていたという。

ちなみにポリティコは、バイデン氏の現在の北朝鮮に対するアプローチについて、政権当局者が、前提条件なしで北朝鮮当局者と話し合う考えを示しているとした上で、オバマ元大統領の「戦略的忍耐」と、首脳会談を実施したトランプ前大統領の両方から借用したものだと説明している。

元当局者や専門家からは、戦略を一新するべきとの声が上がっている。

トランプ政権下の国家安全保障会議で北朝鮮問題に関わったアンソニー・ルジエロ氏は、バイデン政権は、2018年以降に緩めた制裁体制を復活させる必要があると主張。非核化という長期的なゴールと、兵器備蓄を枯渇させるという短期目標の両方に効果的だと説明した。

北朝鮮は世界で4番目に強い制裁を受けながら、依然として核プログラムを構築しているが、ルジエロ氏は、さらなる経済的負担を強いれば、屈服させることができると確信を示し、「米国の制裁は、中国が承認しなければならない国連制裁よりも強力だ」と指摘。「バイデン政権は、その外交資本を使って米国の制裁を実施すべきだ」と主張した。

米国平和研究所のフランク・オウム氏は、「隔離と抑止」は機能しないとの考えを示した。オウム氏は、米韓が軍事演習を縮小することも可能だと主張。その後、緊張が緩和するのを待って、「一方的な和解姿勢を示して、北朝鮮に報いさせるといった平和攻勢を敷く」方向に進めばよいとの考えを語った。

オウム氏は、平和攻勢について、戦略的資産の配備の一時停止や朝鮮戦争の正式な終戦宣言、非核化措置に対する制裁緩和、米国民の北朝鮮への渡航禁止の解除といった措置を含めることができると話したという。

一方、前政権における3回にわたる首脳会談も核廃絶の道につながらず、以前の外交努力が失敗に終わっていることから、一部の専門家は、残された方法は、北朝鮮を核保有国として認め、可能な限り関係を改善するしかないと主張しているという。

ただし、バイデン政権と専門家の大半は、他国に核保有をする動機を与えるとともに、同盟国が拒絶するとして、こうした考えを否定しているという。