Gen. Sergei Surovikin. Photo: Ministry of Defence of the Russian Federation, Creative Commons Attribution 4.0

ロシアの国営メディアRTは8日、ウクライナ戦の総司令官にセルゲイ・スロビキン陸軍大将が任命されたと伝えた。ロシア国防省が、スロビキン氏を「特別軍事作戦地域における合同グループ司令官」に任命したと発表したという。

ウクライナ侵攻をめぐっては、ウクライナ軍が東部で反転攻勢を強めており、ゼレンスキー大統領は6日、10月に入り500平方キロの領土を解放したと発表している。RTによると、今週、東部の要衝リマンを奪還された後、当局者から、組織的に強固な防御が敷かれていないとして、非難の声があがっていたという。

スロビキン氏は2017年からロシア航空宇宙軍の司令官を務めている。ウクライナ紛争では、南部とドンバス地域でロシア軍「南グループ」を率い、6月にルハンシク州セヴェロドネツィクにある地域ヒルスケで、ウクライナ軍を包囲し、排除したという。シリアの軍事作戦を率い、ロシア連邦英雄の称号を与えられているほか、チェチェン紛争にも加わった経験がある。

同僚の間では、強行で型破りな作戦をとることから「アルマゲドン将軍」の愛称で呼ばれているという。

スロビキン氏の任命が誰にかわるものか明らかにされていない。侵攻開始から2ヶ月後の4月、ニューヨークタイムズは米当局者の話として、ロシアが、シリア戦で豊富な戦闘経験を持つアレクサンドル・ドボルニコフ(Aleksandr Dvornikov)将軍に、侵攻作戦の全体を監督する任務を与えたと伝えていた。ただしロイター通信は、スロビキン氏が任命されるまで、ロシア側は作戦の全体指揮をとる人物を明示してこなかったとしている。

スロビキン氏の任命は、奇しくも、バイデン米大統領の「アルマゲドン」発言の2日後に発表された。

バイデン大統領は6日に出席した民主党上院選挙運動委員会の会合で、プーチン氏の核トークについて「彼が戦術核兵器や生物化学兵器の使用について話す時、ジョークで言っているのではない」と深刻さを強調。「われわれはケネディーとキューバミサイル危機以来、アルマゲドン(終末戦争)の可能性に直面することはなかった」と60年来の危機との認識を示し、「彼の軍隊が、著しく期待を下回っているからだ」と語った。

その後、米国防総省高官は、現時点で米国が戦略核の態勢を修正する理由は見当たらないと話すなど、バイデン氏の発言が、核の脅威をめぐる新たな評価に基づくものではないことを明らかにしている。