米国防総省は先月31日、欧米諸国がウクライナに供与した兵器の管理状況を把握するため、軍事要員が現地で調査活動を「再開」したと明らかにした。

調査を実施しているのはキーウの防衛駐在官と防衛協力室のメンバーだとし、調査場所や規模などの詳細については明言を避けた。ただし「前線の近く」ではないとした。これまでのところウクライナ側は協力的で、兵器の割り当て状況についても信憑性のある情報を提供していると話した。

駐ウクライナ米大使館のホームページには、防衛協力室の役割について、ウクライナ国防省と協力して、ウクライナ軍の近代化と両国の外交目標の達成支援のために軍事装備、訓練、習熟や教育機会を提供するとある。国防総省高官は31日の会見で、防衛駐在官と防衛協力室の要員がウクライナに復帰したことで調査の再会が可能になったとしたが、復帰時期や人数、いつから調査を再開したのかについて明らかにしなかった。

国防総省はロシアによる侵攻開始10日前の2月14日に、部隊の撤退を命じていた。NBCニュースは、これら調査官について、ウクライナに再入国した米軍の最初のメンバーだろうと伝えている。

米国務省は先週、米国やNATO加盟国からウクライナに供与した兵器がロシア軍やその代理組織、非国家主体などの手に渡ることを防止する対策キャンペーンに乗り出しており、調査活動はこの一環。同キャンペーンでは、高性能ミサイルシステムや防空兵器など供与された兵器に関し、短期、中期、長期の3段階でそれぞれ米国とウクライナによる監視を強化するほか、陸空の国境警備を改善して兵器の不正利用や闇取引の防止を図る。

2月のウクライナ侵攻開始以来、米政府はウクライナに対し数十億ドル規模の軍事支援を重ねているが、戦争が長期化するにつれ議会からは予算の具体的な流れを明確にするよう強く求める声が上がっていた。一方米政府としては、戦況についての懸念や密売人に情報が流れ不当に利用される恐れから、これまで開示には消極的だった。

国務省によると、ウクライナの兵器の需要が高いことで、銃火器や携帯式防空ミサイルシステム、ジャベリンのような対戦車ミサイルなどが闇市場に出回る動きは今のところ抑えられている。ただ、ロシア軍に地域を占領された場合に兵器を奪われるおそれがあるほか、ロシアがこれを反撃計画に役立てたり、攻撃を自作自演し反撃の口実にする「偽旗作戦」を行ったりする可能性が懸念されるという。