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禁錮150年 史上最大の投資詐欺、 バーナード・マドフが獄中死

史上最大規模とされる巨額の投資詐欺を働き、2009年に禁錮150年の実刑判決を受けたバーナード・マドフ受刑者が、ノースカロライナの収監先の刑務所で死亡した。82歳だった。

ABCニュースによると、情報筋は自然死だと話しているという。4月29日には83歳の誕生日を迎える予定だった。

マドフ氏は末期腎不全で透析治療を行なっていた。昨年、余命がわずかだとして温情的釈放を求めたが、6月に却下されていた。

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マドフ氏は、金融危機の最中の2008年に拘束され、翌年に有罪を認めた。既存投資家に運用益と見せかけて、実際は新規投資家の資金から配当を支払う手法で、136カ国3万7,000人を欺き、650億ドル規模の詐欺を働いた。本人は詐欺を始めたのは1990年代からだと述べていたが、検察官は早くて1970年代初頭から行われた可能性があると主張していた。被害者には、ヘッジファンドや銀行、個人投資家のほか、映画監督のスティーブ・スピルバーグ氏や俳優のケビン・ベーコン氏、元ニューヨークメッツオーナーのフレッド・ウィルポン氏、1972年に最年少で米野球殿堂入りを果たしたサンディー・コーファックス氏、ノーベル平和賞作家のエリー・ウィーゼル氏など、著名人も含まれている。

150年の実刑に加え、判事は1,710億ドルの財産没収を命じ、不動産、投資、車やボートを含むすべての財産の所有権を放棄するよう求めた。さらに取り決めにより、妻のルス氏が自分に属すると主張した8,000万ドルの財産についても没収を命じた。ルス氏に残された資産は250万ドルだった。

証券取引委員会は繰り返し警告があったにもかかわらず、詐欺を見逃していた。同組織の監察長官は2009年の調査報告書で、信頼性のある申し立てが多くあったにもかかわらず、証券取引委員会は一度もマドフ氏に対する適切な調査をせず、必要かつ基礎的な措置を講じなかったと報告した。

マドフ氏は1938年4月29日、ニューヨークのクイーンズに生まれた。22歳で会社を設立し、ウォールストリートで有名なマネーマネージャーとなった。1990年にはナスダックの非常勤会長も務めた。

金融危機の最中に、顧客から償還の求めが相次ぐと、詐欺が行き詰った。CNBCによると、同年12月10日にマドフ氏は、息子のマーク氏とアンドルー氏に、投資顧問事業はすべて嘘だと告白した。父親の会社の運用部門でシニア・マネージャーをしていた両氏は、すぐに司法当局にこれを報告。翌日、FBIがマドフ氏の事務所の家宅捜査を実施した。

2009年3月12日にマドフ氏は11件の罪状を認めた。この3カ月後に、最大150年の実刑を言い渡された。

マドフ氏は、詐欺は自分1人の考えによるものだと主張。2人の息子や妻のルス氏、兄弟のピーター氏らは何も知らなかったとしたが、管財人に選ばれたアービング・ピカード氏はこれを否定。詐欺を知っていながら放置したとして、家族を含む数十人の人物や組織を提訴した。

息子のマーク氏は、46歳だった2010年に自殺をはかり死亡した。この4年後にアンドルー氏はリンパ腫により48歳で他界した。ピカード氏は最終的に、息子の遺産財団と妻ルス氏と和解している。

14日の時点で、政府が没収した財産からマドフ被害者基金を通じて、約3万7,000人の被害者に支払いが行われた。このうちのほとんどが損失の80%程度を回復したという。

マドフ氏は昨年、ワシントンポスト紙の取材に対して、後悔の念を示し、孫たちとの関係を回復することが最後の願いだと話していた。

マドフ氏の犯罪について、ロバート・デ・ニーロ主演で「ウィザード・オブ・ライズ」(The Wizard of Lies)(2017)として映画化された。

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