「中国のプロパガンダ」、米議員 映画『バービー』を非難

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ベトナムでの上映禁止措置の報道を受け、共和党の有力者テッド・クルーズ上院議員(テキサス州)は3日、「バービーはメイド・イン・チャイナだと思う…」とツイート。地図が盛り込まれたことを非難した。

クルーズ議員の広報担当者はデイリーメールに声明で、「中国はアメリカ人が何を見聞きし、最終的に考えるかをコントロールしようとしている」と指摘。「バービー」に登場した地図の例をあげ、同国の「巨大な映画市場を利用し、アメリカ企業に(中国共産党の)プロパガンダを強要している」と非難した。

ベトナムで、ハリウッド映画の上映が禁止されるのは今回が初めてではない。昨年は、トム・ホーランド主演のアクション映画「アンチャーテッド」でも、九段線が描かれたことで、上映が禁じられた。

2019年には、アニメ映画「アボミナブル」の公開を中止。2018年公開の「クレイジー・リッチ・アジアンズ」でも、南シナ海の島が、中国政府の管理下にあることを示す世界地図が描かれた背景が使用されており、該当部分がカットされたという。

ユソフ・イサーク研究所(ISEAS)のベトナム専門家、Le Hong Hiep氏はワシントンポスト紙に、今回の上映中止に関して、「ベトナムは、中国の専制的な九段線を断固拒否するというメッセージを世界に発した」と説明。製作会社に対しても「物議を醸すようなデリケートな要素は、除外すべきだというメッセージとなる」とし、これが最後とはならないだろうとの見方を示した。

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