米国では先週末、夏のブロックバスター映画が、2本同時に公開された。
マーゴット・ロビーが主役を務める実写版「バービー」は、オープニング週末の興行収入が、今年最高の1億6,200万ドルを記録し、1位となった。”原発の父”ロバート・オッペンハイマーを描いたクリストファー・ノーラン監督の伝記映画「Oppenheimer」は、8,200万ドルだった。
「バービー」に関しては、これまで、女性のステレオタイプの象徴とみなされていたバービー人形が、どのように”リブランド”されるのかについて、注目が集まっていた。
また保守派の間では、公開前から批判的な意見が際立っていた。
共和党の有力者テッド・クルーズ上院議員(テキサス州)は、作品に登場する地図に、中国政府が主張する領有権「九段線」が描かれているとして、「中国のプロパガンダ」と非難していた。ベトナムでは、この地図を理由に、全国での上映が禁止されている。
Foxニュースでは、「女性は自分を高めるために、男性を貶める必要はない」(コントリビューター、レスリー・マーシャル)「フェミニストの陳腐な話」(作家ピーチー・キーナン氏)「有害な女性らしさ」(作家ダグラス・マレイ氏)など辛辣なコメントが飛び交った。
これにイーロン・マスク氏も参戦。Twitterで「”家父長制”という言葉が出るたびに一杯やってたら、映画が終わるまでに気を失ってしまう」と皮肉を投稿した。作品には、家父長制のワードが繰り返し登場するという。
保守派のコメンテーター、ベン・シャピーロ氏は、YouTubeの番組で、バービー人形に放火。「男性嫌いの第三波フェミニストか、真の男性嫌いか、洗脳されているかだ」「これまで見た中で最もウォークな映画」と酷評した。
南部で予想外の人気
これらの批判にも関わらず、封切られると、保守派が多い南部での人気が高いことが判明した。