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米老舗ブランド「アント・ジャマイマ」人種のステレオタイプに基づくとして名称変更を発表

米ペプシコ傘下のクエーカー・オーツ社は17日、同社が所有する「アント・ジャマイマ」(Aunt Jemima)ブランドについて、起源が「人種のステレオタイプ」に基づくものだとして、商品パッケージおよびブランド名を変更する計画を発表した。

アント・ジャマイマは、パンケーキミックスやシロップなど朝食製品のブランドで、黒人女性のイラストをパッケージに使用している。

©mashupNY

ブランドの設立は1889年。ニューヨークタイムズは、ジャマイマのキャラクターは、南北戦争前の南部への憧憬を歌った19世紀のミンストレルソングがルーツにあると説明している。ロゴは何度も変更されており、現在のロゴにあるパールのイヤリングとレースの襟は1989年に加えられた。

同社は声明で「われわれはアント・ジャマイマの起源が人種のステレオタイプに基づくものだと認識している」と理由を説明。「複数のイニシアチブを通じて人種平等に向けて前進する取り組みをしている。われわれはブランドのポートフォリオを厳しく見つめ、それらが確実にわれわれの価値を反映し、消費者の期待に沿うものとしなければならない」と語った。

パッケージの変更は2020年第4四半期から開始する。新名称は後日発表する。

クエーカー・オーツの発表後、マース社も「アンクル・ベンズ」(Uncle Ben’s)のブランドについて、ブランドロゴの変更を含む「すべての可能性について検討」すると発表した。

同社は声明で「人種偏見と不正に終止符を打つことを支援する態度を示す責任がある」と述べ、「特に黒人のコミュニティの消費者の声、世界中の従業員の声を聞いており、アンクルベンズブランドの進化にとって今が正しい時だと認識している」と語った。具体的な変更内容と時期については「まだわからない」としつつ、「すべての可能性を検討している」と述べた。

ジョージ・フロイド氏死亡事件後、人種不平等や体系的差別の撤廃を求める抗議デモが全国で活発化している。抗議の声は、奴隷制時代を想起させるシンボルや銅像の撤去にまでおよんでいる。

カーレースのナスカー(NASCAR)は10日、今後全てのイベントで、南北戦争で南軍が用いた連合国旗の使用を禁じると発表した。またストリーミングサービスのHBO Maxは、南北戦争時代のジョージア州アトランタを舞台にした「風と共に去りぬ」を、配信作品から一時的に削除することを決定した。

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