ゼレンスキー大統領「前例のない支援」に感謝、バイデン氏のリーダーシップを称賛

234

ウクライナのセレンスキー大統領は11日、テレグラムのアカウントを更新し、バイデン大統領と電話会談を行い、「前例のない防衛と経済支援に感謝を伝えた」と明らかにした。

この2日前、米国防総省は、2億7,500万ドル(約375億円)規模の追加軍事支援を行うと発表した。支援はドローダウンと呼ばれる、大統領権限により在庫からの供与を命じるもので、バイデン政権発足以来27回目、総額は200億ドル近くに達した。11月27日の前回は4億ドルだった。

今回の支援額はここ数回の中では最少規模で、155ミリ砲弾8万発、高機動ロケット砲システム「ハイマース」用の追加砲弾、対ドローンおよび防空システムの装備、軍用車「ハンビー」の装備、発電機約150台などが含まれる。

最近ではロシア、ウクライナともにドローンによる攻撃を強化しており、無人爆撃機の探知はウクライナ軍にとって防衛の要になっている。ロシア軍は今夏、イランから攻撃用ドローンを数百台入手したとされ、情報筋によると、今後追加で購入を検討中だという。

冬の寒さが本格化する中、ロシア軍はウクライナの発電所などインフラ施設を集中攻撃しており、ウクライナでは数百万世帯が停電し、暖も取れない状況に見舞われている。

Advertisement

ホワイトハウスも同日発表した公式声明で、両国首脳が会談し、この中でバイデン氏が最新の軍事支援と、11月29日に表明した電力網の復旧などのためとする5,300万ドルの支援提供を強調したと説明。「ウクライナへの安全保障、経済、人道支援の提供を継続し、ロシアに戦争犯罪と残虐行為の責任を負わせ、その侵略の代償を課すという決意を再確認した」とした。

ゼレンスキー大統領はツイッターでも、バイデン大統領との会談は「有意義」だったとした上で、「追加の軍事支援に感謝を示した」と改めて強調。米国のリーダーシップは「揺るがない!」と称賛した。

なおNBCニュースは10月の報道で、バイデン氏がゼレンスキー氏との会談中、声を荒げる場面があったと伝えている。10億ドルの追加支援を伝えた直後、ゼレンスキー氏がまだ得られていない支援を並べ始めたといい、バイデン氏はカッとなり、もう少し感謝を示してもよいのではないかとたしなめたという。

バイデン氏の支援政策に対する国内の支持は安定しており、先月18日〜20日に実施された世論調査では、兵器供与と経済面ともに65%以上が現在の政策を支持すると答えた。ただし、無期限の支援約束については支持が後退し、家計の負担が増大しても、必要な限り支援をするべきと答えたのは48%で、7月から10ポイント低下した。一方で、ウクライナが領土を失うとしても、家計の負担が増大しないよう、和平協定を促すべきとしたのは47%で、前回7月の38%から増加。政府が和平協定を早期に結ぶよう働きかけるべきとの意見が強まっていることが示された。