ハンター・バイデン氏のメール、ホワイトハウス弁護士らWSJにもちかけていた

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ホワイトハウスの弁護士を含むトランプ氏の関係者は、支持率調査でバイデン氏の後塵を拝するトランプ氏の再選を助けるため、10月初めに開いた会合で、ウォール・ストリート・ジャーナルの記者にハンター・バイデン氏の私的なメールを提供していた。ニューヨークタイムズが、事情を知る人物の話として伝えた。

会合を計画したのはトランプ・ジュニア氏と近しいニューヨークのPR会社のアーサー・シュワルツ氏で、弾劾裁判でトランプ氏の弁護団に加わり、現在は大統領のシニア・アドバイザー職を務めるエリック・ハーシュマン氏と、元ホワイトハウス次席法律顧問、ステファン・パサンティーノ氏、WSJの記者、マイケル・ベンダー氏が参加した。3人は、ベンダー氏にハンター氏のビジネス活動の詳細を含んだメールを提供し、ハンター氏の元ビジネスパートナーのトニー・ボブリンスキ氏が話をすることに前向きだと伝えた。

3人は、WSJがバイデン氏が息子のビジネスに関与し、利益を得た疑惑を報じることを期待してこの場を去り、トランプ大統領にも手応えを伝えていたという。スティーブン・バノン元大統領首席戦略官がタイムズに話したところでは、トランプ氏側は19日に記事が発表されることを期待していた。

WSJは内容を精査し、ボブリンスキ氏に取材を行った。しかしこの一方で、ニューヨークポスト紙が14日、トランプ氏の弁護士のルディ・ジュリアーニ氏から入手したハンター氏のメールを公開し、バイデン氏が息子のビジネス取引に関与した疑いを報じはじめた。これらのメールの一部は、WSJに提供されたものと一致しているという。

タイムズは、ジュリアーニ氏の突然の登場は状況を混乱させた上に、ジュリアーニ氏のメールの出元に関する疑問の残る説明とラップトップを記者に検証させない対応が、話の信ぴょう性に悪影響を与えたと伝えている。

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さらに、自身のインタビューが世にでることに「待ちくたびれた」ボブリンスキ氏は21日、ブライトバートに声明を発表。翌日には、大統領候補者討論会の直前に自ら会見を開き、自身が疑惑のメールを受信した1人だと名乗り出るとともに、ジョー・バイデン氏がハンター氏のビジネスに関与していないという発言は誤りだと主張した。

結局、WSJが記事を掲載したのは22日の夜だった。同紙は、企業の記録を審査した結果、ジョー・バイデン氏が役割を果たしたことを示すものはないと結論づけた。またボブリンスキ氏が提供したメールやテキストメッセージには、ハンター氏またはジェームズ・バイデン氏が、中国とのベンチャー企業に関してジョー・バイデン氏の役割に関する議論をしたものは見当たらないと報じた。