トランプ氏 不法移民の大量国外追放を公約、日系人強制収容に使われた200年前の法を活用

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トランプ前大統領は、大統領に当選した場合、連邦主義時代に成立した法を活用するなどして不法移民を大量に強制送還させる計画を示した。

トランプ氏は3日、予備選の初戦となるアイオワ州で発刊する日刊紙デモイン・レジスターに「これがバイデン氏による国境の惨事を終わらせる方法」と題した論説を寄稿。次期大統領にとって最も緊急の課題は「南部国境におけるジョー・バイデンの国家を破壊する悪夢」の終了であり、自身を不法移民による「侵略」を阻止できる唯一の候補者だとアピールした。

バイデン政権は、完成まで数週間だった南部国境の壁政策やメキシコ残留措置を停止し、コロナ対策を理由に発動した移民制限措置「タイトル42」を終了させたと説明。「納税者の費用で何百万人もの移民をアメリカのコミュニティに再定住させ始めた」と非難した。

11月だけで25万人の移民が不法に国境を越えたと強調。「移民がわれわれの都市を圧倒している。麻薬、犯罪者、ギャングメンバー、テロリストが押し寄せている」とし、大統領就任初日に「バイデン政権のあらゆる国境開放政策を終了し、強力なトランプ国境政策を復活させる」と宣言した。

「バイデン政権下で侵入した何百万人もの不法外国人」を排除するために、FBIや国土安全保障省といった連邦政府の法執行機関の人員を大量に移民対策に移行させるとしたほか、「敵性外国人法(Alien Enemies Act)」を使ってギャングメンバー、麻薬売人、またはカルテルメンバーを米国から追放すると予告。さらにタイトル42を活用して、児童人身売買に終止符を打つと述べた。

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敵性外国人法は1798年に成立した外国人・治安諸法(Alien and Sedition Acts)と呼ばれる一連の法に含まれたもので、現在も有効となっている。米国と宣戦布告した敵対国や侵略国の国民を拘束、強制退去させる権限を大統領に与えるもので、第2次世界大戦中、フランクリン・D・ルーズベルト大統領による日系人の強制収監政策のために使用された