「家族のこと考えて」消息不明の潜水艇「タイタン」のドキュメンタリー、放送タイミングにSNSで非難

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「タイタニック号」観光ツアーに出発し、消息不明となっている潜水艇「タイタン」。米沿岸警備隊が率いる捜索活動の行方を世界が見守る中、英国で早くもドキュメンタリー番組が制作された。

タイトルは「Titanic Sub: Lost at Sea」で、英国の番組制作会社ITNが制作を手がけた。放送はチャンネル5にて22日現地時間の午後7:00を予定している。

Varietyによると、番組は、ニュース報道を超え、視聴者に最新情報を届けるとともに、航海や乗客、沈没船タイタニック号に対する関心など、より広い背景を検証する。専門家との話を交え、エクソトリーム・ツーリズムの台頭について考察する。

全長わずか6.7メートルの船体に5人を乗せたタイタンは、消息を絶ってから5日目に入った。最大時で96時間分とされる酸素について、沿岸警備隊のジェイミー・フレデリック船長は20日(火)の記者会見で、残量は約40時間との見通しを示した。予測が正確であれば、米国東部標準時の午前中に酸素が切れるとみられている。

酸素切れが予測される数時間後に早くもドキュメンタリーが放送されることをめぐって、SNSでは非難の声が相次いだ。

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あるユーザーは「空気が切れるその日にこれを利用するなんて、狂っている」と投稿

別のユーザーは「彼らは海の底にいて、英国のチャンネル5がやっているのは、基本的にいいねを押してサブスクライブしてねと言っているようなものだ」と批判した。

このほかにも、「悪趣味で思いやりがない。家族や愛する人のことを少しでも考えてほしい」「悪行の極み」「悲劇をセンセーショナルに扱って利益を得るのはタチが悪い」「彼らは捜索よりも素早くドキュメンタリーの制作に取りかかった」といったコメントが投稿されている。

タイタンに乗船しているのは、ツアーを運営するストックトン・ラッシュ最高経営責任者、フランス人の深海探検家ポールアンリ・ナルジョレ氏、英国の億万長者ハミッシュ・ハーディング氏、パキスタンの実業家シャザダ・ダウッド氏と19歳の息子スレマン氏の5人と報じられている。