レイプルーム疑惑の有名NYレストラン「スポッテッド・ピッグ」閉店

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複数の元従業員がセクハラを受けたとしてオーナーを告発したウェストビレッジの有名レストラン「スポッテッド・ピッグ」(The Spotted Pig)が26日閉店した。

2004年のオープン後すぐに人気となった同店は、ジェイ・Zやジュード・ロウ、ルーク・ウィルソン、コートニー・ラブなど、有名人が多く訪れることで知られていた。

同店のシェフ、Tony Nassif氏はインスタグラムにお店の画像とともに「終わるだなんて、信じられない」と投稿した。

3週間前、ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ(Letitia James)司法長官は、オーナーのケン・フリードマン(Ken Friedman)氏とセクハラを告発した元従業員の女性11名の間で、和解が成立したと発表していた。

レストランでは、少なくとも2005年から、常連客で同店に投資をしていた有名シェフのマリオ・バターリ(Mario Batali)氏やその他投資家、ケン・フリードマン氏が女性従業員へのセクハラを繰り返していた。苦情を申し出た従業員は解雇などの報復を受けていた。

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和解では、フリードマン氏が企業の株式を保有しつつ、事業の監督から退き、11人の元従業員に対して24万ドル(約2,600万円)と今後10年間、利益の20%を支払うことで合意した。これには「事業売却または閉鎖の結果フリードマン氏にもたらされる支払い」が含まれているが、今回の閉鎖がどのように影響するか、現在のところ明らかではない。

ジェームズ司法長官は声明で「いかに有名なレストランで、オーナーに力があろうが、本日の和解は、われわれが職場におけるいかなるセクシャルハラスメントも容認しないという事実を明らかにしている」と発表した。

同店のセクハラ疑惑は、2017年にニューヨークタイムズが報じた。従業員の証言をもとに性的嫌がらせやセックスの要求、ヌード写真を求めるなど、フリードマン氏やバターリ氏によるセクハラ行為が繰り返し行われていることを明らかとなった。記事ではまた、3階のVIPルームで、ゲストが女性従業員の体に触れるなどの嫌がらせが、公然と行われていると報じた。この部屋は従業員の間で「レイプルーム」と呼ばれており、バターリ氏が部屋で意識のない女性に性的行為を試みたという目撃証言もあった。

さらに2018年5月、米CBSの報道番組「60ミニッツ」が、バターリ氏所有の別のレストランで働いていた女性従業員がスポッテッド・ピッグで開催されたパーティに参加した際、ドラッグを飲まされたのち、3階の部屋でバターリ氏から性的暴行を受けたと告発した。放送後、ニューヨーク市警察はバターリ氏を性的暴行の容疑で捜査を開始した。

和解発表に際し、ジェームズ司法長官はバターリ氏について、スポッテッド・ピッグのケースの主な捜査対象ではないとしつつ、捜査途上でバターリ氏に関する「信頼のおける情報」をつかんだと発表。「バターリ氏と、そのビジネスパートナー、マネジメント企業、3つのレストラン」を別件で捜査していると述べた。