警察関係者が完全否定、メーガン妃とパパラッチの「2時間カーチェイス」

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16日、イベントに主席するため、ニューヨークを訪れたヘンリー王子とメーガン妃。広報担当者は翌日、夫妻はパパラッチとの「カーチェイス」に巻き込まれ、「あわや大惨事」になりかけたとメディアを猛烈に批判した。しかし、「民間の警備チームのアシスト」を務めたニューヨーク市警察によると、夫妻が主張するほど、劇的なものではなかったという。

ヘンリー王子夫妻はこの日、非営利団体「女性のためのミズ財団」が主催するイベントに主賓として招かれ、母ドリア・ラグランドさんを伴い出席した。女性のための公平、公正な未来の創造に尽力するリーダーを称える式典では、ウィメン・オブ・ビジョン賞を授与された。

夫妻の広報担当者によると、夫妻は、ミッドタウンにある会場ジーグフェルド・ボールルームを出た後、「非常に攻撃的な」パパラッチの集団に「執拗に追い回された」という。追跡は「2時間以上」に及び、「他のドライバーや歩行者、ニューヨーク市警察の警官2人を含む、複数の衝突寸前の事態を生む結果になった」と説明した。

トラブルなどの通報なし

ニューヨーク市警察は、事態について現在調査中としつつも、衝突やトラブルなどの通報などはなかったとしている。

報道官はニューヨークポスト紙に対し、会場周辺にはカメラマンが多く駆けつけ、移動は「困難だった」ものの、「衝突や出頭を命じられた者、負傷者、逮捕者」などの報告はなかったと回答した。

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警察関係者は、カーチェイスについて「間違いなく、2時間ではなかった」と夫妻の主張を否定。別の関係者も、車が縁石に乗り上げたり、カメラマンと警官が「ぶつかりそうに」なったりしたこともあったが、「高速で追跡する場面はなかった」と語っている。

夫妻の移動経路は?

ポスト紙によると、ヘンリー王子ら3人を乗せたSUVは午後9時50分、ウエスト54ストリートにある会場を後にした。その後57ストリートまで北上し、マンハッタン東部を走る高速車線に侵入。そこで1時間ほど走行し、パパラッチを煙に巻こうとしたという。再びアッパーイーストサイドに戻り、67ストリートにある第19管区警察署に立ち寄った後、SUVからタクシーへと乗り換えた。タクシーで10分ほど周囲を走った後、再び警察署へと戻ったという。3人はその後、2ブロック先の滞在先へと戻った。

夫妻の警備担当者は、CNNの取材に「十数台の乗用車、スクーター、自転車」が夫妻を追跡していたと述べ「国民の命が危険にさらされた」「このようなことは目にしたことも、経験したこともない」と混乱の様子を答えた。

一方、現場を取材していたカメラマンによると、夫妻の車を追跡していたパパラッチの車は3台程度だったという。PageSixのインタビューで、むしろ危険な運転をしていたのは、夫妻の警備だったと証言。彼らが「パパラッチを翻弄、挑発」していたと説明し、ラッパーの警備なら致し方ないが、王室メンバーなら「シークレット・サービス相当の適切な警備を手配すべきだ」と語った。

夫妻らを乗せたタクシー運転手も「映画のようなカーチェイスではなかった」と振り返った。ポスト紙の取材に、車は6人のパパラッチに取り囲まれ、2台の車に追跡されたと説明。「(夫妻らは)声をひそめ、恐れているように見えたが、自分は危険だとは感じなかった。ここはニューヨークで安全だ」と語っている。

メーガン妃に否定的なことで知られるキャスターからは、「誇張」だと非難の声が上がった。

FoxニュースとNBCの番組司会を経て独立した、メーガン・ケリーは、ポッドキャストの番組で、「交通量や信号、人の往来の多いマンハッタンで、2時間のカーチェイスなどありえない」と夫妻の主張を否定。動機について「人目につきたいから」「ヘンリー王子は、メーガン妃をダイアナ妃に仕立て上げようとしている」と皮肉った。

今回の夫妻のクレームを受け、SNSでは「プライバシーが欲しい」「私たちを見ないで」とプラカードを掲げた夫妻が「ワールドワイド・プライバシーツアー」に出かけるサウスパークの風刺アニメや、トランプ支持者から暴行を受けたと警察に虚偽報告を行った俳優ジェシー・スモレットのミームが投稿されている。