「薬物使用を美化」ヘンリー王子に非難の声

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来週発売される回顧録「スペア」で、大麻や薬物を使用していたことを明らかにしたとされるヘンリー王子に、英国の議員や、警察官、反ドラッグ活動家から非難の声が上がっている。

テレグラフなどによると、ヘンリー王子は著書で、コカインやマリファナ、マジック・マッシュルームを使用したことを認め、「真実」を見ることができたと語っているという。

薬物の使用で、楽しさや幸せは感じなかったものの、「違うものになるため」使用していたと明かしており、薬物が効いている間は「怒り(レッドミスト)が存在しない、別の世界を垣間見ることができた」と語っている。17歳の時は「極めて不幸」だったと振り返り、「既成の秩序を変えるためなら、何でもすすんでやってみる」と感じていたとも綴っているという。

マリファナに関しては、嗜好用と治療の両方の用途で長年使用しており、ケンジントン宮殿の庭や、良家の子息が通うイートン校で吸ったこともあると明かしているという。

コカインを吸っている写真をパパラッチに撮影されたこともあった。編集者は写真を公表しない条件として、インタビューを求めてきたが、はったりをかけ、廷臣にやってないと嘘をついたという。ヘンリー王子は、その時の心境について「恥ずかしいと感じた一方で、誇らしいとも思った」と回想しているという。

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政治家からが批判

英紙テレグラフによると、英政府は、中間クラスに分類されている「嗜好用」の薬物の取り締まり強化を予定している。ある大臣は同紙に、ヘンリー王子の発言は「薬物の使用を正当化、促進するもので、極めて無責任だ」と非難。「国民は、この馬鹿げた発言をただ無視してくれることを願う」と語った。

ドーセット警察の犯罪警察署長のデビッド・シドウィック氏は、「マリファナが及ぼす害や、精神病・メンタルヘルスとの関連性に対する新たな証拠を考慮すると、王子の話は極めて役に立たない」と批判した上で、「ロールモデルになるべき人物として残念だ」と話した。シドウィック氏は、マリファナは健康上のリスクを伴うとして、「A級薬物」に分類するよう訴えているという。

息子を36歳で失った反薬物活動家のジャニー・ハミルトン氏も発言を「無謀」だと指摘。ヘンリー王子を見て「無傷だ」と思った若者が「トリップのスリル」を求めたり、深い苦痛を経験した人々が、現実逃避を求めて、真似したりする危険性があると話した。