嘔吐や失神する乗客も、エアコン切れた機内で4時間待機

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ネバダ州ラスベガスの空港で、エアコンの切れた旅客機内にいた乗客らが、次々と体調不良に陥る出来事があった。

問題が起きたのは、17日午後1時ごろ。アトランタ行きのデルタ航空555便の機内。同機はハリー・リード国際空港で、滑走路に向かう飛行機の順番待ちをしていた。

トラブルが起きたデルタ航空機の中にいたFoxニュースのフィールド・プロデューサー、クリスタ・ガービン氏はFoxビジネスニュースに、10機以上の旅客機が離陸するのを待つ間、多くの乗客が吐いたり、気を失ったりするなど、体調を悪化させたと語った。

国立気象局によると、この日の空港周辺の気温は、44度から46度の記録的な暑さだった。

ガービン氏によると、目を閉じ、体を前後に震わせながら通路を歩く「見るからに、具合の悪そうな」女性もいたという。泣き叫ぶ赤ちゃんもいたが、乗客らは、救急隊員が到着するまで、着席するよう求められた。事態を受け、衛生職員らが手当のために動員された。

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機長から、気分が悪くなった乗客は、呼び出しボタンを押すようアナウンスが入ったほか、酸素ボンベを持った客室乗務員が、通路を走り回るなど、混沌とした状況だったという。

ガービン氏は「暑い夏の日に、駐車した車の中に閉じ込められた犬の気分だった」と過酷な状況を振り返った。

乗客らは、4時間にわたって機内に閉じ込められたあげく、飛行機を降りて、空港に戻るよう求められた。この際、少なくとも5人が担架で搬送された。酸素マスクを付け、ストレッチャーで運び出された客室乗務員もいたという。

空港に戻ると、複数人の客室乗務員が体調を崩したため、フライトが延期される可能性があると告げられた。

デルタ航空555便の出発時刻は、翌朝7時へと変更されたが、最終的に欠航となった。

デルタ航空は声明で、乗客に謝罪し、職員とファーストレスポンダーに感謝を述べた。客室内で「不快な温度をもたらした状況」について調査を行うと発表している。