NY地下鉄で「忍者」攻撃、乗客が刀で頭部殴られる

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ニューヨーク市の地下鉄で、29歳の男性が、鞘(さや)におさまった刀で頭部を殴られ、負傷する事件があった。

事件が起きたのは20日午前9時半ごろ、ロウアーマンハッタンのチェンバーストリート駅。CBSニュースによると、事件前、車内で男性と加害者の男の間で口論があった。2人が下車した後、暴行に発展。男は、木製の鞘に入った刀で、男性の頭部を殴るなどし、逃亡した。

目撃者によると、男が電車のドアをこじ開けて、車両に乗り込んだ後、武器を取り出したという。「誰かを狙っているようだった」と語った。この間、乗客はパニックになっていたという。

犯人は、ブルックリンに住むセルウィン・ベルナンデス(Selwyn Bernardez)被告(27)。21日に拘束され、暴行罪および無謀な危険行為で起訴された。

ニューヨークポスト紙によると、被害者の男性は、ウエストヴァージニア州出身のラリー・グリフィン2世さん(29)。頭部に深い切り傷を負い、病院で手当を受けた。

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なおグリフィンさんは2019年に、炊飯器を地下鉄の駅構内に放置し、爆弾処理班が出動する騒ぎを起こしている。中身は空であることが判明したが、爆破予告で脅迫したとして起訴され、有罪判決を受けていた。

今年、ニューヨーク市の地下鉄で起きた事件は1,800件で、昨年同時期(1,280件)より41%増加している。

忍者攻撃が発生した前日にも、アッパーウエストサイドを北方面に走行中の2トレインで、男性が包丁で刺される事件があった。

エリック・アダムス市長は21日、地下鉄の犯罪は「メンタルヘルスの問題を抱える人々」によって増加していると説明している。22日には、ホークル知事と合同で会見を開き、警察官による駅構内のパトロール時間を増加すると発表した。