ニューヨークのパブリックアート【2018年】

ニューヨークでは、公園やストリートなど公共のスペースに、数多くのパブリックアートが設置されている。動物や環境、人権の保護のように社会的なメッセージを含む壁画や彫刻から、インタラクティブアートのように遊べる作品まで、多様なアートを楽しむことができる。
今年新たに設置がスタートしたパブリックアートを一挙紹介する。

Michael Jackson mural

ブラジル・サンパウロ出身のストリート・アーティスト、エドゥアルド・コブラ(Eduardo Kobra)によるマイケル・ジャクソンの壁画。レインボーカラーのダイヤモンドをコラージュして描かれており、半分には少年時代のマイケルを見ることができる。コブラは、ブラジルほか17カ国で500以上の壁画を描いており、ギネス世界記録で登録されている巨大な壁画もある。

マイケルジャクソン 壁画 ニューヨーク
©mashupNY
場所:ロウアーイーストサイド(11th Street and First Avenue)

Narcissus Garden

ニューヨーク近代美術館のMoMA PS1「Rockaway!」のフォート・ティルデン(Fort Tilden)で開催中の草間彌生のインスタレーション「ナルシスの庭」。米軍基地の列車の車庫や修理場として使用されていた建物跡地に、1,500個ものステンレスミラーの球体がディスプレイされている。

草間彌生 ナルシスの庭
Rockaway! 2018 featuring a site-specific installation of Narcissus Garden by Yayoi Kusama. Artwork ©YAYOI KUSAMA. Artwork courtesy Ota Fine Arts, Tokyo/Singapore/Shanghai; Victoria Miro, London/Venice; and David Zwirner, New York. Photo: Pablo Enriquez.
日時:7月1日から9月3日までの金・土・日及び祝日
午後12時から6時まで(7月4日の独立記念日、9月3日のレイバーデイも上記と同じ)
場所:Gateway National Recreation Area at Fort Tilden

Spot

ダルメシアンが実物大のイエロータクシーを鼻で持ち上げる高さ11.5mの像。「スポット」と名付けられた女の子の犬は、アーティスト、ドナルド・リプスキ(Donald Lipski)による作品。NY大学ランゴーンの新たなハッセンフェルト小児病院(NYU Langone’s new Hassenfeld Children’s Hospital)の前に設置された。

Spot
©mashupNY
場所:160 East 32nd Street, New York, NY 10016

The High Line

国籍や年齢、様々なバックグラウンドを持つアーティスト集団アゴラ(Agora)によるネオンライトを使用した作品は、日没後も楽しむことができる。同団体は、女性の権利、環境、移民問題などのテーマとした作品を展示している。写真は、ロスを拠点に活躍するアンドレア・バワーズ(Andrea Bowers)による作品。「Somos 11 Milliones/We Are 11 Million」 DACAの撤廃により強制送還の危機にさらされている不法移民の子供たち、ドリーマーズを支持するサイン。スタンダードホテル付近に設置。

High Line Agora
@mushupNY
場所:The High Line
期間:2019年3月

Wind Sculpture (SG) I

ニューヨーク パブリックアート
Wind Sculpture (SG) I by Yinka Shonibare©mashupNY
ロンドンを拠点に活動するインカ・ショニバレ(Yinka Shonibare)氏による作品。高さ7メートルの巨大な彫刻には、ターコイズやレッドなど鮮やかなカラーで、ダッチワックス(ろうけつ染め)によるバティック柄が描かれている。作者が、幼少期に過ごしたナイジュリアのラゴスのビーチイメージして、創り上げた「風の彫刻」シリーズの一つ。
植民地時代のレンズを通じて、文化的アイデンティティーの構築を試みた同作品は、多層化するアイデンティティーのメタファーという。国を越えて交わる人々やアイデアのムーブメントなど現在社会の問題や、異質な社会におけるモニュメントなどを表現する。
場所:Doris C. Freedman Plaza in Central Park 地図
期間:2018年10月14日まで

Banksy mural

Banksy
HoustonとBoweryの交差地点に設置された大型の壁画©mashupNY
社会風刺アートをゲリラ的に描くことで知られる、英国のグラフィティ・アーティスト、バンクシー(Banksy)による最新アート。ニューヨークに登場するのは2013年以来となる。
ノリータに設置された20m以上の巨大壁画は、トルコ人ジャーナリストでありアーティストのゼラ・ドーガン(Zehra Dogan)氏が、トルコ政府によって収監された事件への抗議を表現する。
14丁目のネズミのステンシルが書かれた時計は、建物所有者によって撤去されたが、ブルックリンのミッドウッド(Midwood)や、ハーレムなどにも作品が設置されている。
場所:E Houston St & Bowery, 地図

The Last Three

The Last Three©mashupNY
地球上に残された最後のキタシロサイ(White Northern Rhino)3頭(この設置後に高齢のスーダンが死に、2頭となった)のブロンズ像「ザ・ラスト・スリー」。人間の乱獲により、絶滅の危機に瀕している動物たちを保護する啓蒙活動のため設置された。
動物保護をテーマにしたアートワークで知られるオーストラリアのデュオ・アーティスト、ジリ・シャトナー(Gillie Shattner)さんとマーク・シャトナー(Marc Shattner)の作品。
場所:Astor Place 地図
期間:2018年5月まで

Rose Crystal Tower

Rose Crystal Tower by Dale Chihuly ©mashupNY
ガラスの彫刻家、デイル・チフリー(Dale Chihuly)氏による高さ9.5メートルのローズカラーのクリスタルタワー。
チフリー氏は、1970年代のスタジオ・グラス・ムーブメント(Studio Glass movement)を代表するアーティストで、ニューヨーク市のパーク・パブリックアートプログラム50周年を記念して設置された。彫刻の素材には、ポリビトロ・クリスタル(Polyvitro crystals)が使用され、軽く弾力性がありながら、ガラスのような輝きを放つ。チフリー氏は、エキシビジョン「Chihuly in the Light of Jerusalem 2000」でも同素材を使用した作品を展示している。
場所:Union Square Park 地図
期間:2018年10月5日まで

I Lift My Lamp Beside the Golden Door

「I Lift My Lamp Beside the Golden Door」by ドロシー・イアノン(Dorothy Iannone)
I Lift My Lamp Beside the Golden Door」by Dorothy Iannone ©mashupNY
ベルリンを拠点に活動するアーティスト、ドロシー・イアノン(Dorothy Iannone)による巨大壁画。イアノン氏は、エロチシズムと女性の性的体験にフォーカスした作品を描く。壁画には、移民や自由を象徴するニューヨークのランドマーク「自由の女神」(Statues of Liberty)3体が色鮮やかな色彩で描かれている。タイトルは、米国の詩人、エマ・ラザラス(Emma Lazarus)の詩「The New Colossus」の最後の一節「ゴールドの扉の脇で、ランプをかかげる」から名付けられた。この詩は、自由の女神像の台座にも刻まれている。
場所:The High Line(22丁目付近) 地図
期間:2019年3月まで

LOOP

LOOP ©mashupNY
ミッドタウンのガーメントディストリクトに設置されたフリップブックのアート。ハンドルを押すと、シリンダー部分に描かれたイラストが回り、パラパラマンガのように動く子供にも人気のアート。
場所:Garment District Plazas(Broadway, Between 41st Street & 36th Street)地図
期間:3月31日まで

6月からは、アート・イン・ザ・パーク「Art in the Parks: UNIQLO Park Expressions Grant Art Exhibit: 2018 – 2019」が開催され、ニューヨークを拠点に活動するアーティスト10名のインスタレーションが登場する予定だ。

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