15日(木)、イーストヴィレッジのアスタープレイス(Astor Pl)に「ザ・ラスト・スリー」(The Last Three)という名のパブリックアートが設置された。サイの形状をした約5メートルもの大型ブロンズ像が、3体積み上げられている。これらは、地球上に3頭(この設置後に高齢のスーダンが死に、2頭となった)しか残されていないキタシロサイ(White Northern Rhino)だ。人間の乱獲により、絶滅の危機に瀕している動物たちを保護する啓蒙活動のため設置された。
ブロンズ像を製作したのは、オーストラリアのデュオ・アーティスト、ジリ・シャトナー(Gillie Shattner)さんとマーク・シャトナー(Marc Shattner)さん。2人は、動物保護をテーマにしたアートワークのインスタレーションを世界中で行っている。
今回、キタシロサイの窮状に焦点を当て、絶滅の危機に瀕している動物たちに注目して欲しいという願いを込め、像が作られた。
2人が行っているプロジェクトでは、漢方の原料として、サイの角を使用している中国とベトナム政府に対し、これらの密猟をやめるよう嘆願を募る活動を行っている。「サイたち、さようなら」(Goodbye Rhinos)で綴られたメッセージを100万件集め、両政府に働きかけるという。メッセージは、こちらのリンク先から送信できる。
2人は「私たちは、ただ彼らの名前を知ってもらいたかった。そうすれば、たとえこの3頭が、この世界からいなくなったとしても、彼らのことを忘れることはないだろう。」とNYのウェブニュースサイトPatchに語っている。
作品の展示は5月末までとなっている。
最後のキタシロサイの雄 高齢で死ぬ
19日、ケニアのオルペジェタ自然保護区(Ol Pejeta Conservancy)は、3頭のうちの1頭であり最後の雄、スーダン(Sudan)が、45歳の高齢に伴う病気が悪化したため、安楽死させたと発表を行った。
It is with great sadness that Ol Pejeta Conservancy and the Dvůr Králové Zoo announce that Sudan, the world’s last male northern white rhino, age 45, died at Ol Pejeta Conservancy in Kenya on March 19th, 2018 (yesterday). #SudanForever #TheLoneBachelorGone #Only2Left pic.twitter.com/1ncvmjZTy1
— Ol Pejeta (@OlPejeta) March 20, 2018
CNNによると、150年前には、100万頭のクロサイとシロサイがアフリカに生息していたというが、密猟により激減した。2017年のみで、1,000頭が密猟されたという。
スーダンの死後、残されたのは、スーダンと同じ保護区にいる雌のナジン(Najin)とファツ(Fatu)のみとなった。2頭は、武装した警備員によって、24時間体制で保護されている。現在は科学者らによって、体外受精による種の保存が検討されている。
地球上の最後の雄のキタシロサイ、スーダン
サイの角は漢方として使用するため密猟の対象となってきたが、病の症状の改善する作用はないという。