グッゲンハイム美術館(Solomon R. Guggenheim Museum)は6月21日から11月6日まで、ジャン=ミシェル・バスキア(1960-1988)の展覧会「Defacement: The Untold Story」を開催する。

バスキアの友人で、警察の暴力で死亡した黒人アーティスト、マイケル・スチュワート(Michael Stewart)へのトリビュート作品「Defacement」(1983)を中心に、同時期活躍したキース・ヘリング(Keith Haring)やアンディー・ウォーホル(Andy Warhol)などのアーティスト作品を展示する。
バスキアのアイデンティティーや1980年代初期のニューヨークカルチャー、当時の社会運動を知ることができる展示内容となる。

Defacement: The Untold Story

当時25歳の若きアーティスト、マイケル・スチュワートは、イーストヴィレッジのニューヨーク地下鉄の壁にスプレーでグラフィティを書き、ニューヨーク市交通警察に逮捕された。13日間意識不明の後、心停止で死亡した。
追悼のために製作された作品「Defacement」は、キース・ヘリングのスタジオの壁に描かれていたもので、これまでほとんど公共の場で披露されることはなかった。

バスキアによる約20点の絵画のほかに、キース・ヘリングやアンディ・ウォーホルら仲間のアーティスト達が、裁判や抗議のために製作した絵画やシルクスクリーン、ポスターなど、スチュワートの死に関連する作品が展示される。
作品の一例に、キース・ヘリングの「Michael Stewar―U.S.A. for Africa」(1985)ほか、アンディ・ウォーホルのニューヨークデイリーニュースの記事をシルクスクリーン印刷した「headline」、デイビッド・ハモンズ(David Hammons)のステンシルプリント「The Man Nobody Killed」(1986)。ライルアシュトンハリス(Lyle Ashton Harris)のポートレート写真「Saint Michael Stewart」(1994)などがある。

バスキアは1960年、ハイチ系とプエルトリコ系の両親の元ニューヨークで生まれた。1970年代、マンハッタンのロウアーイーストサイドに、強力なメッセージのエピグラム(詩)とグラフィティを描くデュオSAMOとして名を馳せた。80年代には、世界中のギャラリーや美術館で個展が開催されている。