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米議員の「プーチン暗殺」発言 ツイッターが削除しないワケ

米共和党のリンジー・グラハム上院議員(サウスカロライナ)がSNSで、ロシア国民にプーチン大統領の暗殺を呼びかけ、物議をかもした。

グラハム氏は3日、Foxニュースに出演し「ロシアにブルータスはいないのか?ロシア軍には、シュタウフェンベルク大佐(ヒトラー暗殺未遂事件の首謀者)より成功を収める者はいないのか?」と歴史的な事件を引き合いに出し、「終結させる唯一の方法は、この男を排除することだ」と主張。同様の内容をツイッターに投稿した。

あまりに過激な発言に、両議員から非難の声が殺到。イルハン・オマル下院議員(ミネソタ・民主)は「第3次世界大戦を回避すべく、議員は冷静を保ち、発言を制御することを切に願う」とツイート

テッド・クルーズ上院議員(テキサス・共和)も「極めて悪い考え」「首脳の暗殺を呼びかけるべきではない」と批判。厳格な経済制裁と軍事援助で対応すべきだと主張した。

かつてQアノンに支持を表明し、誤情報の拡散を巡り物議をかもしてきたマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア・共和党)でさえ、「無責任かつ危険、常軌を逸している」と非難。「われわれは戦争を望まない」と述べ、「戦争を挑発するような人物ではなく、冷静な判断ができるリーダーが必要だ」と主張した。

Foxニュースの司会者ローラ・イングラハム氏も、「危険で、馬鹿げている」と一蹴した。

ポリシー違反?

ニューヨークポスト紙によると、ツイッター社の規則では、政治家や政府関係者による「特定の個人または、団体に害を及ぼす可能性のある宣言的な呼びかけ」は、検閲の対象にするとしている。その一方で、「公益」に関する免除規定により、ある程度の発言の自由を認められているという。

ツイッターはポスト紙に、今回のグラハム氏の発言は「利用規約に違反していない」と回答したという。

2020年にトランプ氏が、新型コロナウイルスに感染した際、反対派からトランプ氏の死を願う敵対的なツイートが多数投稿された。これを受け、ツイッターは「死亡、深刻な身体的危害、致死的疾患」に関するツイートは控えるようユーザーに注意を促し、該当する投稿は削除すると警告していた。

なお、トランプ氏と親しいグラハム氏だが、プーチン氏に対する味方は、大きく異なる。

トランプ氏は先月22日、ウクライナ東部ドネツク地方にある新ロシア派の独立を承認したプーチン氏を、「天才」と称した。

この発言について、グラハム氏は「誤り」だと否定。「彼は、戦争犯罪者だ」と反発した。2日には、プーチン氏に戦争や人権侵害の責任を問う、法的拘束力を持たない決議案を提出するなど、厳しい姿勢を示している。

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