「性差別的」マリリン・モンローの巨大像が物議

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カリフォルニア州パームスプリングスに設置されることとなったマリリン・モンローの巨大像「フォーエバー・マリリン」(Forever Marilyn)に、地域住民から非難の声が寄せられている。NPRが報じた。

映画『七年目の浮気』でスカートが地下鉄の風で舞い上がるシーンを模した像は、高さは約8メートルのステレンレス製。

Julien Hautcoeur / Shutterstock.com

当初2012年から2014年にも同地に展示されていたが、今回パームスプリングスアート美術館の入り口の前に、3年間設置することとなった。
当初は人気のアトラクションとして見られていたが、マリリン・モンローのスカートの中が見えるため、地域住民は美術館を訪れる子供たちへの影響を懸念しているという。

同美術館のLouis Grachos館長は昨年、美術館を出て最初に目にするのは「巨大なマリリン像の下着であり、非常に不快だ」と市議会に異議を唱えていた。像は、最終的にコーチェラ・ヴァレーに設置されるという。

#MeTooキャンペーンも

美術館の元館長エリザベス・アームストロング(Elizabeth Armstrong)氏は、Change.org上で、#MeTooMarilynキャンペーンを開始し、反対の署名活動を行っている。

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アームストロング氏は、マリリン・モンローことノーマ・ジーン・ベイカーは、11歳でレイプされ、エンターテインメント業界でも性的暴行に苦しんだ女性であり、1950年代に勇気ある告発をしたと説明。「性的欲求をかきたてるような、女性差別的な像を設置することは、訪問者、特に若くて純粋な子供や観光客に、これが”本物のマリリン”で、彼女はこれを誇らしく思っているというメッセージを送る。しかし事実は真逆で、彼女は性的なアイコンではなく、アーティストとして真剣に受け止められることを望んでいた」と反対の理由を述べ、彼女の意思を尊重し、像を撤去すべきだと訴えている。キャンペーンには現在、4万件以上の署名が集まっている。

アームストロング氏はNPRに「像は性差別的であり、”アップスカート”(盗撮)をさせるようなものだ」と主張している。

さらに「マリリン移設委員会」は、当初の設置場所は、下町に経済的利益をもたらされていないと指摘。別の場所への移転を希望しているという。

像の設置を推進してきたパームスプリングスヒルトンのマネージング・ディレクターであり、PSリゾーツのトップ、アフタブ・ダダ(Aftab Dada)氏は「彼女は大半の人をハッピーにしている」と反論。「写真が世界中に拡散され、パームスプリングスに利益をもたらす」とNPRに語った。なおPSリゾーツは、マリリン像を所有しており、購入に支払った金額は100万ドル(1.1億円)だという。