「エプスタインと出会ったのが最大の後悔」ギレーヌ・マクスウェル 禁固20年に

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ジェフリー・エプスタイン元被告による未成年者への性的虐待事件に関連し、昨年有罪評決を受けたギレーヌ・マクスウェル被告(60)に対して、マンハッタンの連邦裁判所の判事は28日、禁固20年の実刑を言い渡した。

判決後、ニューヨーク南部地区連邦検事局はツイッターで「本日の刑は、子供に対する極悪犯罪を犯したギレーヌ・マクスウェルに責任を負わすものだ」と説明。「法を超越する者はおらず、裁きが遅きに失するということはないという強力なメッセージを送るものだ」と投稿した。

昨年末に行われた審理で、マクスウェル被告は少なくとも1994年から2004年の間、エプスタインの未成年少女に対する虐待を支援、促進、参加したとされた。当時未成年だった複数の女性が証言台に立ち、被害を証言。二人が、時にビル・クリントンやドナルド・トランプ、英王室のアンドルー王子といった大物とのつながりや富をちらつかせて、被害者を誘惑し、犯行に及んだ実態などが語られた。

ニューヨークタイムズによると、マクスウェルは被告この日、逮捕後初めて自ら陳述を行い、被害女性らの「痛みと苦痛」を自覚していることを認めた。一方、「ジェフリー・エプスタインに出会ったことが、人生最大の後悔」「ジェフリー・エプスタインがあなた方の前にいるべきだった」と述べるなど、責任を認めるには至らなかった。

アニー・ファーマー氏©MashupReporter

刑の発表後、被害者の一人、アニー・ファーマー氏は法廷の外に集まった報道陣に、エプスタインとマクスウェル被告は権力と特権を用いて、数えきれない個人に危害を加えたプレデターとした上で、「あまりにも長い間、大衆を保護するべき機関が、代わりに彼らをかばってきた」と社会的な問題を指摘。「歴史的に、多くの組織や機関でプレデターが守られてきたことをわれわれは知っている」と話し、「教会の中、政治グループの中、養護施設において」と例を挙げた。続けて「この刑は、社会が”もうやめろ”と言っているもう一つの印だ」と述べ、「犯罪に手を染めれば、罰せられる。これらの犯罪を促進したら、罰せられる。そっぽを向いた傍観者となるならば、権力ある地位に就くことは許されない」と語った。

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マクスウェル被告の陳述については「むなしい弁解」であり、犯罪の責任をとるつもりがないと批判した。

ボビー・スターンハイム弁護士©Mashup Reporter

マクスウェル被告の弁護人、ボビー・スターンハイム氏は、被告は法廷に入る前から、世論によって裁かれ公平な扱いを受けることができなかったと主張。上訴する計画を示した。続けて「刑を受けるべき人物が、責任を逃れ、犠牲者を避け、彼女たちの痛みを目の当たりにすること、真にふさわしい罰を受けることを避けた。最後まで狡猾なジェフリー・エプスタインは、ギレーヌ・マクスウェルにすべてを背負わせた」と、マクスウェル被告を擁護。その上で「独房で異常かつ厳しい状況の審理前拘束に耐えた」「保釈請求は二度と却下されるべきではない」など、不当な扱いを受けてきたと強調した。

マクスウェル被告の兄ケビン氏は、妹は「上訴する権利を行使する」と述べ、これを親族らで支えていく意向を示した。

兄のケビン・マクスウェル氏、姉のクリスティン・マクスウェル氏とイザベル・マクスウェル氏©Mashup Reporter