デサンティス氏 最大の支援団体がテレビCM取りやめ

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共和党の予備選でトランプ前大統領に次ぐ有力候補とされてきたフロリダ州のデサンティス知事を支持する最大のスーパーPAC(特別政治活動委員会)が、来月に党員集会または予備選を控えるアイオワ州とニューハンプシャー州で計画していたすべてのテレビコマーシャルを中止した。ワシントンポスト紙が報じた。

スーパーPAC「ネバー・バック・ダウン」は、デサンティス氏の2022年の政治活動委員会から8,000万ドルを得て発足した団体で、これまでに初戦となるアイオワの1,600万ドルを含む4,300万ドル以上をテレビCMに費やしている。

過去数週間で異変が報じられており、幹部5人が解雇または辞任した後、16日に主席戦略官のジェフ・ロー氏が、「良心としてネバー・バック・ダウンと関わり続けることができない」として辞任を表明した。

これと並行して、デサンティス陣営と同団体との関係をめぐって、選挙法違反の可能性が浮上している。

AP通信によると、連邦法は大統領選挙陣営と外部団体が協調することを禁じている。候補者はスーパーPACを管理することが禁じられており、ネバー・バック・ダウンは資金の用途をめぐってデサンティス陣営と連携してはならない。

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問題はアイオワ州のキャンペーンに関するもので、APは今月12日、関係者の話として、団体の活動にデサンティス氏と妻ケイシー氏が影響を及ぼした可能性を報じた。夫妻は団体のテレビCMに懸念を表明し、それが知事と親しい人物を含む団体の理事会メンバーを通じて戦略担当スタッフにまで要望が伝えられたという。二人は特に、ライバル候補のニッキー・ヘイリー氏に対する批判広告を取り下げたことに不満を示したという。

アイオワでは、支持率が伸び悩むデサンティス氏に対して、ヘイリー氏が追い上げ、リアルクリアポリティックスによる各社世論調査の平均では両者の差は2ポイントに縮まった。アイオワの翌週に予備選が行われるニューハンプシャーでは、ヘイリー氏が逆転し、デサンティス氏は4番手にまで低下している。

一連の疑惑について、デサンティス氏およびネバー・バック・ダウンともに強く否定している。

テレビCMの中止について、ネバー・バック・ダウンのチェアマン、スコット・ワグナー氏は、初戦州における「核となる使命」である草の根に活動をシフトする一環だと説明。「ファイト・ライトやその他の団体が電波をカバーすることにワクワクしている」と声明を発表した。

ファイト・ライトは初戦まで2ヶ月と迫った先月16日に設立されたスーパーPACで、情報筋はCNNに、CMをめぐってネバー・バック・ダウンと知事との結びつきが強まりすぎていたことが、発足理由の一部と見解を語っている。