「引き金ひいていない」アレック・ボールドウィン銃誤射事件

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映画「Rust」の撮影現場で起きた誤射事件に関し、俳優のアレック・ボールドウィンは、ABCの看板司会者ジョージ・ステファノプロスのインタビューで、銃の引き金を引いていないと話した。

2日の放送を前に公開されたクリップで、ボールドウィンは、引き金を引くことは台本になかったのではないかと問われると、「引き金は引かれていない。私は引き金を引いていない」と説明。念を押されると「誰にも銃を向けたことはないし、彼らに向けて引き金を引いていない。一度も」と答えた。

事件があったのは、10月21日。ニューメキシコ州サンタフェの撮影現場で、ボールドウィンがリハーサル中に放った銃に、誤って実弾が込められていた。銃弾を受けた撮影監督のハリーナ・ハッチンスさんが死亡したほか、ジョエル・ソーザ監督が肩を負傷した。

銃を用意したのは、武器係の責任者ハンナ・グティエレス・リード氏で、銃を手渡したのはアシスタント・ディレクターのデイブ・ホールズ氏だった。

予告編では、ボールドウィンが、死亡したハッチンスさんについて「仕事をしたみんなから愛され、好かれ、尊敬されていた」と話し、思わず肩を震わせて泣く姿も放送された。

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ボールドウィンは「今になっても、彼女が亡くなったことが信じられない。本当のことだと思えないんだ」と心情を吐露。実弾がセットに持ち込まれたことについて「検討がつかない」「何者かが、実弾を銃に込めた。敷地内にあるはずのない弾丸だ」と語った。

サンタフェ郡保安官室は10月27日の会見で、600点を現場から押収し、このうちの500点が弾薬で、3丁の拳銃を押収したと述べた。このうち1丁は本物のビンテージ銃で、2丁は機能しない銃だったという。

事件に関して、経験の浅いリード氏を非難する声も上がっている。

ただし、リード氏の代理人、ジェイソン・ボウルズ氏は11月初旬に行ったインタビューで、リード氏は安全確認を十分に行ったと反論。リード氏以外の第三者が、撮影を妨害しようと、悪意を持って実弾を混入した可能性があると主張した。

この一方、30日に発行された捜索令状から、死亡事故に繋がった実弾は、アルバカーキにある「PDQ Arm & Prop LLC」が提供した可能性があることがわかった。同社のオーナー、セス・ケニー氏は、リード氏の父親で、ハリウッドのベテラン武器係として知られるテル・リード氏と、事件の1ヶ月前に別の映画で仕事をしていた。テル・リード氏は11月17日に、捜査当局者に、同映画のセットでケニー氏に実弾を提供したと話したという。