ギャングを殺人罪で起訴 コロンビア大学院生刺殺事件

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ニューヨーク市警察は3日、マンハッタンの公園で、複数の通行人を死傷させたとして、ワシントンハイツ在住の男を、殺人および殺人未遂、暴行などの罪で起訴したことを明らかにした。

男の名は、ヴィンセント・ピンクニー(Vincent Pinkney)被告(25)。クイーンズを拠点とするギャング「Everybody Killas」のメンバーだという。CBSニューヨークによると、ピンクニー被告には、過去に16回の逮捕歴があった。暴行事件で4年間服役した後、仮釈放中だった。

事件は2日午後11時ごろ、アッパーマンハッタンにあるモーニングサイドパークで起きた。殺害されたのは、コロンビア大学大学院の博士課程で学ぶ学生、ダヴィデ・ギリ(Davide Giri)さん(30)。サッカーの練習から帰宅途中だった。

ギリさんは、ピンクニー被告に、刃物で腹部を刺されたあと、よろめきながら公園の外に出て、ウエスト123ストリートとアムステルダムアベニューの歩道で倒れた。搬送先の病院で、死亡が確認された。自宅は、公園に近い場所にあったという。

イタリア出身のギリさんは、コンピューターサイエンスの博士号を取得するため、5年前にニューヨークに移住した。

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事件現場を訪れた日系人の男性は、自身もサッカークラブに所属しており、試合で出会っていた可能性があると述べた。この地域では、ギャング同士の事件は起きているが、一般人が狙われることは、なかったという。このような事件が起きて、残念だと語った。

ギリさんが所属していたサッカーチームは、追悼のメッセージを投稿した。

観光客も負傷

ピンクニー被告は、ギリさんを刺した約15分後、ウエスト110ストリート&カセドラルパークウェイで、イタリア人観光客、ロベルト・マラスピナさんを襲い、腹部を刺した。

ニューヨークポスト紙は、目撃者の話として、ピンクニー被告は犯行の前、マリファナを吸っており、男性を刺した後、喜ぶように飛び回っていたと報じている。

ピンクニー被告はその後、セントラルパークで、犬の散歩をしていたカップルをナイフで脅したという。

これらの事件の前には、ドイツから訪れた観光客を刺した疑いが持たれている。

捜査当局はニューヨークポスト紙に対し、被告と被害者の間に会話はなく、「完全な無差別攻撃だ」と説明。「誰にでも起こりうる、最も恐ろしいタイプの犯罪だ」と語った。

なお、ギリさんが刺殺された公園は、2年前の12月、バーナード大学の女子大生、テッサ・メジャーズ(Tessa Majors)さん(当時18歳)が、10代の少年に襲われ、殺害される事件があった。