パイプライン爆破、親ウクライナ派グループによる破壊工作の可能性

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昨年9月に起きたロシアとドイツをつなぐ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」の爆破は、親ウクライナ派グループによる破壊工作だった可能性があるという。ニューヨークタイムズが匿名の米政府当局者の話として伝えた。

この可能性は、当局者らが審査した新たな情報の中に示されたものだという。

同紙によると、当局者らは情報について以下のように話した。

・ゼレンスキー大統領や政権幹部が関与した証拠はなく、犯人が同政府の指示で実行した証拠もない。

・プーチン大統領の反対派であるが、グループのメンバー、または作戦の指示や支払いをした人物は特定されていない。

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・犯人グループはウクライナ人かロシア人、またはその組み合わせの可能性が高く、米国人や英国人は関与していない。

・爆発物の設置は、軍や情報機関の人物ではなく外部の経験豊富なダイバーが助けた可能性が高い。ただし、過去に政府の専門的な訓練を受けた可能性がある。

・一連の情報の重大性ついて、当局者間で見解が割れている。

ウクライナ侵攻開始から7ヶ月後の昨年9月26日、ノルドストリーム1と2の二本のパイプラインの複数箇所でガス漏れが発生した。スウェーデンの検察当局は11月、現場から「爆発物の痕跡」が見つかったとし、「重大な破壊工作」によるものと発表した。

西側諸国は当初、ロシアの関与を疑ったが証拠は見つかっていない。重要な収入源で、エネルギー供給をめぐって欧州をゆさぶる手段をロシアが破壊する動機は乏しいとの見方も多い。修理費用は一部で、5億ドルとも推定されている。

一方、同プロジェクトは、欧州のエネルギー安全保障上の脅威になるとして以前から欧米の非難の的になってきた。

米国を含む西側の関与を疑う声もあり、FOXニュースのタッカー・カールソン氏は自身の番組で、バイデン大統領の過去の発言を挙げ、米政府の関連を示唆し物議を醸した。

バイデン大統領は昨年2月、ドイツのショルツ首相との会談後に「ロシアが侵略すれば、つまり戦車や兵士らがウクライナの国境を越えるということだが、その時はノルドストリーム2はなしだ。われわれはそれを終わらせる」と明言していた。

先月、米国の著名なジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏はサブスタックで、米海軍のダイバーが6月にNATO軍の演習に乗じて爆薬を仕掛け、ノルウェーが9月に作動させ爆発させたとする記事を掲載した。ホワイトハウスは、記事は「完全なフィクション」と否定している。