トランプ氏 心に決めた副大統領候補は誰?

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今月10日に開かれたタウンホールで、予備選を勝ち抜いた場合、ランニングメイトが「誰になるかわかっている」と述べるなど、すでに心に決めていると明かしたトランプ前大統領。まだ本当のことは言えないと述べつつ、司会者から予備選の対抗馬を選ぶ可能性について聞かれると、「もちろん。それもあるだろう」と思わせぶりに話した。

これに反して、FOXビジネスは20日、トランプ陣営の上層部は「候補者リスト」なるものを作成しており、依然として複数の候補者を検討していると報じた。

23日のニューハンプシャー州予備選で勝利した場合、得票差によっては対抗馬のロン・デサンティス氏とニッキー・ヘイリー氏のどちらか、または両方が撤退し、一気に共和党候補者指名への道が開かれる可能性も指摘されている。

関係者によると、候補者リストには、J.D.バンス上院議員(オハイオ)、トランプ政権の元報道官で現アーカンソー州知事のサラ・ハッカビー・サンダース氏といったMAGA派の「新星」が含まれている。

昨年12月の議会公聴会で大学内の反ユダヤ主義運動をめぐってアイビー・リーグの学長らを問い詰め、辞任に追い込んだ下院共和党のナンバー4、エリス・ステファニク議員(ニューヨーク)もリストに入っているという。

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バンス氏とサンダース氏が自ら望むかどうかは不明だが、ステファニク氏は19日に開催されたトランプ氏の集会に応援に駆けつけ、記者らに「どのような立場であってもトランプ政権に奉仕できれば光栄に思う」とアピールしている。

ヘイリー氏の可能性を否定

トランプ氏自身はタウンホールでライバル候補を選ぶ可能性を排除しなかったが、デサンティス氏とヘイリー氏、さらにアイオワ州当院集会の敗退を受けて撤退した起業家のヴィヴェク・ラムスワミ氏はリストに入っていないという。

ラムスワミ氏に関しては、トランプ氏はアイオワ州党員集会の翌日の集会の壇上に呼び込み、「彼はわれわれと働くことになるだろう、長く連携していくだろう」と語っており、会場からは「副大統領」と掛け声が上がった。

19日のニューハンプシャー州の集会では、自らヘイリー氏の可能性を否定した。同州で自分との差を縮めるヘイリー氏について「大統領の人柄ではない」と酷評した上で、「おそらく彼女は副大統領に選ばれない」と加えた。

ここにきてヘイリー氏に対する攻撃を加速させているトランプ氏は、演説中、「彼女をよく知っているが、十分にタフじゃないし、賢くない。十分に尊敬されていなかった。彼女にこの仕事は務まらない」とけなし、「習近平とも、プーチンとも取引できないだろう」などと主張した。

トランプ氏のタウンホールの発言をめぐっては、あまり重視するべきではないのかもしれない。FOXは、トランプ氏は刺激的な発言で注目を集め、フリーパブリシティをする達人であり、一連の発言は、自分の勝利を既成事実にして、ライバルの投票率を低下させることを狙ったものと指摘している。