トランプ大統領、映画「パラサイト」のオスカー受賞とブラピに不満

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トランプ大統領は20日、コロラド州コロラドスプリングス(Colorado Springs)で再選に向けた選挙集会を開催した。いつものように民主党候補者を1人づつ揶揄した後、話題はアカデミー賞へと移った。

「今年アカデミー賞は良くなかった。見たかい?作品賞は…、韓国の映画だった。いったい何てことだ!韓国とは貿易で、いろいろと問題が多い。それなのに、作品賞をやったんだ。それで良かったのか?」と支持者に疑問を投げかけた。

ポン・ジュノ(Bong Joon Ho)監督の『パラサイト』は、半地下の家で貧困生活を送る4人家族が、富豪の一家に取り入り、彼らの生活を侵食。現代の社会格差を描いたブラックコメディ。92回アカデミー賞では、作品賞と監督賞、国際映画賞、脚本賞の最多4部門を受賞した。外国語作品が作品賞を獲得するのはオスカー史上初で、大きな話題となった。

会場からは、トランプ氏に共感を示すブーイングが上がった。トランプ氏はさらに「『風と共に去りぬ』(Gone With the Wind)を取り戻そう。『サンセット大通り』(Sunset Boulevard)はどうだ?たくさんいい映画があるじゃないか。作品賞は韓国の映画だ。私は、国際映画賞だと思ったが。こんなことは今までに起こったことがない。」と述べた。

なお、マーガレット・ミッチェルの小説を映画化した『風と共に去りぬ』(1939)は、翌年のアカデミー賞で作品賞を含む9部門を獲得した。南北戦争時代の恋愛を描いた作品は、白人の視点から描かれたもので、奴隷制度を正当化し、美談として仕立て上げているものだとして、近年一部で批判の声が上がっている。白人至上主義団体と反対派が衝突が死亡事故に発展した、2017年のバージニア州シャーロッツビル事件以降、テネシー州メンフィスなど、イベントでの上映中止を決定する都市も出ている。

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トランプ氏の発言に対し、米国の配給会社ネオン(Neon)は、ツイッターで「無理もない。彼は(字幕を)読めないからね。」と反撃した。

ブラッド・ピットは生意気だ

トランプ氏は、初の助演男優賞を受賞したブラッド・ピット(Brad Pitt)についても、出しゃばりだと非難した。
ブラッド・ピットは受賞スピーチで、「45秒しかないと言われたが、上院が今週ジョン・ボルトンに与えた時間よりも45秒も長い。」と、今月6日に無罪評決が下されたトランプ大統領の弾劾裁判に言及し、会場を沸かせた。
トランプ氏は「私は彼の大ファンであったことはないが、彼は、ちょっと生意気を言ったんだ。ちっこい、出しゃばりなやつだ。」とからかった。