トランプ政権 マスク不要から一転、着用を推奨か

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トランプ政権は、新型コロナウイルス(Covid-19)の感染拡大を防止するため、外出する際、布マスクやスカーフなどのフェイスカバー着用を推奨する新たなガイドラインを検討していることが分かった。

マイク・ペンス(Mike Pence)副大統領は2日の記者会見で、米疾病対策センター(CDC)は、数日内に勧告を発行すると述べた。
一方、政府新型コロナ対策チームのコーディネーター、デボラ・バークス(Deborah Birx)博士は、マスク着用は「誤った安心感を与える」と懸念を表明し、マスク着用より「最も重要なのは、手洗いとソーシャルディスタンス(社会的距離戦略)」だと改めて強調した。

トランプ大統領は、マスク着用のガイドラインは義務ではないが、米国全体に適用すると述べた。

NY市は外出時のマスク着用を勧告

ホワイトハウスの会見に先立ち、ニューヨーク市のビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は会見で、コロナウイルスの安全勧告を改定すると発表。市中感染を削減するため、外出の際はマスクで鼻や口を覆うよう市民に呼びかけた。
市内では過去数週間で、マスクやスカーフで顔を覆う人が増加している。一方ドラッグストアでは完売の状況が続いており、街頭では、小分けにして高額な値段で販売している光景も見かける。

ニューヨーク 新型コロナウイルス マスク
?フラットアイアン地区のイータリーの前では、2枚のマスクを5ドルの高値で販売。©mashupNY

マスク着用の方針は、政権の国民に対する呼びかけを180度転換することとなる。3月頭、ジェローム・アダムス(Jerome Adams)公衆衛生局長官は、医療現場で使用するN95マスクや手術用マスクが不足することの懸念から、健康な人のマスク着用は効果がないとして、国民にマスクを購入するのをやめるよう促していた。世界保健機関(WHO)も同様の主張を繰り返してきた。

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一方でCDCのロバート・レッドフィールド(Robert Redfield)所長は今週初め、ラジオのインタビューで新型コロナウイルスに感染した人のうち、25%が無症状であるというデータを引用し、マスク着用のガイドラインを見直す意向を語っていた。

The Hillによると、元食品医薬品局(FDA)のスコット・ゴットリープ(Scott Gottlieb)長官など複数の専門家は、マスクの着用は、無症状の感染者による拡散の防止に役立つと主張している。

ジョンズ・ホプキンス大学によると2日午後7時現在、米国の感染者数は243,000人以上となっており、死者数は5,900人以上となっている。