トランプ大統領 政府再開に向け、DACA、TPSで譲歩 – 民主党は拒否の構え

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政府機関の一部閉鎖が29日目を迎えた本日、トランプ大統領は事態打開に向けた演説で、57億ドルのメキシコ国境の壁建設費を求める代わりに、DACAと一時的保護資格(Temporary Protected Status)で滞在する移民に対し、3年間のプログラム延長を認める案を発表した。

DACAは、子供の頃に米国に不法に入国した人々に滞在を認め、強制退去から保護する制度。トランプ大統領は2017年に制度の終了を発表した。演説でトランプ大統領は「70万人のDACA受領者に3年の法的救済を与える。」と発表。「延長措置によって、彼らには労働許可、ソーシャルセキュリティーナンバーへのアクセス、国外退去からの保護を与える」と述べた。

[米政府が一部閉鎖 国境の壁建設費巡り、つなぎ予算案成立できず]

一時的保護資格は、内戦や自然災害などを理由に、安全に帰国することのできない不法滞在者や短期滞在者に滞在資格を与え、強制送還から保護する制度。トランプ大統領は、プログラムの期限が切れる30万人の移民のステータスを3年間保護すると語った。

国境の壁建設費57億ドルを維持する一方、移民政策で民主党に譲歩することで、政府再開のためのつなぎ予算の合意を目指すトランプ大統領だが、民主党指導部は、さっそく拒否する構えを示している。

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演説内容について事前に報告を受けたナンシー・ペロシ下院議長(民主党)は声明で、提案を「すでに却下された議案の寄せ集め」と述べ、「人々の生活を確かなものとするための誠実な対応を表していない」と非難。「我々の国が必要とし、支持するドリーマーズとTPS受領者への恒久的な解決策が含まれていない」と拒否する意向を示した。

チャック・シューマー上院院内総務(民主党)は、「打開策は政府再開しかない」と、壁建設費用の交渉は、政府再開ありきとするこれまでの主張を繰り返した。また「DACAとTPS保護を勝手に取り除いたのは大統領だ」と述べ、譲歩案を「歩み寄りではなく、敵対的な話し合い」だと語った。