トランプ大統領 ハンター・バイデン氏の捜査に特別検察官任命を要望か

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トランプ大統領は、バイデン氏の息子ハンター氏の捜査について、特別検察官の任命を働きかけるかどうか検討している。 AP通信が、政府高官やホワイトハウスに近い共和党議員の話として伝えた。

トランプ氏はすでに、マーク・メドウズ大統領首席補佐官やパット・シポローネ大統領法律顧問、外部の支持者と相談をしている。

情報筋の話では、トランプ氏はさらに、自らが主張を続けている選挙の不正について、別の特別検察官を任命することに関心を示しているという。

ウィリアム・バー司法長官は23日に退任する予定で、トランプ氏は、司法副長官から長官代行になるジェフリー・ローゼン氏に特別検察官の任命を迫るか、または自身の要望を叶えられる人材に換えるか検討している。さらにトランプ氏は、ルディ・ジュリアーニ氏を含む弁護人らにも、大統領が自ら特別検察官を任命する権限があるか調べるよう求めたという。

14日に辞任を発表したバー長官は、大統領選で大規模な不正があったとするトランプ氏の主張を支持しなかったことから、トランプ氏との関係悪化が報じられていた。また選挙期間中、ハンター氏の捜査の存在を明らかにしなかったことについて、トランプ氏は不満を表明していた。

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AP通信は、特別検察官の設置は、バイデン氏の司法長官の選択にも影響を及ぼすだろうと指摘。候補者は、上院の指名承認公聴会で、捜査をいかに監督するか、厳しい質問に直面する可能性がある。

連邦法では、司法長官だけが特別検察官を解任できる。解任には、違法行為や職務怠慢、利益相反など相当の理由を書面で示さなければならないという。

ハンター氏 連邦検察の捜査対象に

ハンター・バイデン氏は9日、デラウエア州の連邦検事局から税務に関する捜査を受けていることを知ったと発表した。

捜査の詳細は明らかにしていない。AP通信は、検察は8日にハンター氏に出した召喚状で、ウクライナのエネルギー企業、ブリスマ社を含む24社以上に関連する資料の提出を求めたと報じた。同社は情報筋の話として、少なくとも捜査の一部は、ハンター氏の過去の中国における取引に焦点を当てていると伝えた。

一方、ポリティコは、ハンター氏のビジネスパートナーだったデヴォン・アーチャー氏の証券詐欺事件で明るみに出た海外からのハンター氏への支払いを巡り、ニューヨーク南部地区検事局(SDNY)の証券詐欺ユニットが資金洗浄の可能性を視野に、ハンター氏を捜査をしていたと報道。司法省の関心は、税金を超えたものだと伝えた。なおSDNYは、デラウエア検事局がすでに捜査をしており、「すでに順調に進んでいる」ことから、調査を公式に開始せずに終了したという。

ハンター氏の過去数年の活動としては、父親が副大統領だった2014年にブリスマの役員を務め、月5万ドル以上の報酬を受け取っていたほか、汚職で7年の実刑を課されたルーマニアの実業家Gabriel Popoviciu氏に、法的なアドバイスを提供していたと報じられている。また中国の石油王Ye Jianming氏と、関係者のパトリック・ホー(Patrick Ho)氏との取引も追求しようとしていた。ホー氏は2018年、チャドとウガンダの政府高官に賄賂を渡し、海外腐敗行為防止法に違反したとして、ニューヨーク南部地区検事局によって起訴され、有罪判決を受けた。