Tモバイルとスプリント 経営統合で合意

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29日、ソフトバンク傘下のSprint(スプリント)とT-Mobile(Tモバイル)は、経営統合することで合意に達したことを発表した。規制当局が承認し、統合が実現すると、米国における携帯電話事業は、ベライゾン、AT&T、そして新統合会社の3強の競争となる。

統合は株式交換によって行われ、交換比率はTモバイル1株に対し、スプリント9.75株となる。統合後の会社は「Tモバイル」とし、Tモバイルのジョン・レジャー(John Legere)最高経営責任者(CEO)がCEOに就任する。統合会社の持株比率は、Tモバイルの親会社のドイツテレコムが42%、ソフトバンクが27%を所有し、14議席の取締役会には、ドイツテレコムから9名、ソフトバンクから孫正義氏を含む4名がノミネートされる見通しとなっている。

両社は、2014年のオバマ政権時代に、統合の話し合いを進めたが、米連邦通信委員会(FCC)が反対の意向を示し、頓挫した過去がある。また、2011年にAT&Tが390億ドルでTモバイルの買収に乗り出した際は、司法省反トラスト局が買収阻止を目的に訴訟を起こし、実現に至らなかった。トランプ大統領が指名した現在のFCC委員長のアジット・パイ氏は、モバイルキャリアの数には前政権と異なる見解を持っており、統合に対し好意的であるとの憶測もある。

発表にあたり、ジョン・レジャー最高経営責任者は「今回の統合は、スケールにおいて、より低価格で革新的、最高のネットワーク体験をより多くの契約者や会社に届ける、強烈な競合を作り出すこととなる」と市場競争に対するメリットを強調し、「業界の垣根が薄れ、5Gの時代を前に、消費者と企業は、自分たちのために、破壊的な姿勢とプラスの方向に変化させる能力を有する企業を求めている」と述べた。

同日、Tモバイルのジョン・レジャー最高経営責任者とスプリントのマルチェロ・クラウレ(Marcelo Claure)最高経営責任者は、Youtubeに動画を投稿。統合によって、より低価格のサービスが実現できることや、多くの雇用を創出すること、さらに、統合会社が全国規模の5Gネットワークをいち早く構築できる唯一の企業であると述べた。

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