フーシ派への攻撃 民主党内からバイデン氏に非難の声

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米国主導の軍事連合が、イランが支援するイエメンの反政府勢力フーシ派の拠点を爆撃したことに関して、民主党を含む一部の議員からは、議会の承認を求めずに攻撃を開始したとして、バイデン大統領を非難する声が上がっている。

バイデン大統領は11日、米英軍がオーストラリア、バーレーン、カナダ、オランダの支援を受け、イエメンにあるフーシ派が使用する多数のターゲットへの攻撃に成功したと発表した。

攻撃は、フーシ派による紅海における国際商船に対する度重なる攻撃に対する「直接的な対応」であり、「アメリカとパートナーがわれわれの人員への攻撃を容認せず、世界で最も重要な商業航路の自由な航行を危険にさらす敵対的な行為を許容しないという明確なメッセージ」と説明。「必要に応じて、さらなる措置を講じることをためらわない」と警告した。

オースティン国防長官は11日夜に発表した声明で、攻撃目標は「フーシ派のドローンと弾道ミサイル、巡航ミサイル、沿岸レーダー、航空監視能力に関連したもの」と説明した。米国には自衛の権利があり、米軍を守るために、必要に応じて引き続き軍事行動を取ると述べた。

ワシントンポストは防衛当局者の話として、攻撃には軍用機や潜水艦を含む海軍の資産が使用されたと伝えている。ニューヨークタイムズによると、ある当局者は、少なくとも1隻の潜水艦がトマホーク巡航ミサイルを発射したと明かしたという。

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SNSには、米英軍による爆撃とされる動画が複数シェアされている。

ポスト紙によると、フーシ派はイラクとシリアに配備している米軍への攻撃を強化しており、10月17日以降、米国の軍隊は少なくとも131回の攻撃を「吸収」している。米中央軍によると、昨年11月以降、フーシ派による紅海における攻撃は27回に上っている。9日には、紅海を航行する数十隻の商船に対して発射された無人機18機、巡航ミサイル2発、弾道ミサイル1発を撃墜したという。

バイデン氏の決定に、民主党のロー・カンナ下院議員(カリフォルニア州)はX(旧ツイッター)の投稿で、「大統領は、フーシ派に攻撃を開始し、もう一つの中東の紛争にわれわれを巻き込む前に議会に来なければならない」と批判。「戦争権限法第2条C頁は、大統領は議会の承認後、または米国が差し迫った攻撃にさらされている国家非常事態の場合のみ、米国を敵対行為に持ち込むことができるとしている」と指摘した。

ヴァル・ホイル下院議員(オレゴン、民主党)は、「これらの空爆は、議会によって承認されていない。憲法は、海外の紛争への軍事関与を承認する唯一の権限は議会にあると明確にしている」と主張。「政党に関係なく、すべての大統領はまず議会に来て、軍事承認を求めなければならない」と投稿した。

ただし、この投稿に加えられたコミュニティノートには「これは誤りである。宣戦布告できるのは議会だけだが、大統領は最高司令官として、米軍を敵対行為に持ち込む広範な権限を有している」と反論が記されている。

プラミラ・ジャヤパル下院議員(ワシントン、民主党)も「これは容認できない憲法違反だ」と非難し、「第1条によれば、軍事行動は議会の承認が必要だ」と加えた。