世界最大の航空機「ムリーヤ」2号機 秘密施設で建造中

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「ムリーヤ(ウクライナ語の夢)」のニックネームで親しまれる世界最大の航空機「An225」の2機目の建造が、約30%の段階まで進んでいるという。ウクライナの航空機メーカー、アントノフ社の最高責任者代理、Yevhen Havrylov氏がドイツ紙「ビルト」の取材で明らかにした。

ロシアの侵攻開始直後、首都キーウ近くの飛行場に格納されていた1号機が、ロシア軍の襲撃によって破壊された。ウクライナ当局者は再建を誓っていた。

2機目の製造は秘密の場所で進められており、Havrylov氏は「爆撃された機体の部品と新たな部品が、未完成の2号機に加えられる」と説明。製造コストは5億ユーロ(約735億円)を見込んでいるという。

ムリーヤは、ソ連時代の1980年代に、ソ連版スペースシャトル「ブラン」を輸送することを主な目的として開発された貨物機で、1988年に処女飛行を行なった。

6つのターボファンエンジンを搭載し、最大250トンの貨物を輸送できる。世界最大の航空機とされ、全長84m、全幅は88mに達する。航続距離はニューヨーク-シドニー間に相当する1万マイル(1万6,000km)で、貨物最大搭載時は3,000マイル(4800km)だという。

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ソ連崩壊後、アントノフ航空が運用していた。1980年代に2号機の製造がスタートしたが、紆余曲折を経て最終的に2009年に計画が中止となった。

ゼレンスキー大統領は5月、学生らとのオンラインミーティングの場で、2機目の建造に意欲を示していた。