バイデン政権 ウクライナの着地点を密かに変更か

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ロシアとウクライナの戦闘開始から2年が近づこうとする中、バイデン政権とヨーロッパの当局者は、密かに、ウクライナの完全勝利という目標から、終戦交渉でウクライナの立場を改善することに焦点を移しつつあるという。ポリティコが政権当局者らの話として報じた。

交渉には、ウクライナの一部を諦めることが含まれる可能性が高いという。また、当局者らは現在、「将来の交渉でウクライナの立場を強める」ために、ウクライナ当局者を含めて、反転攻勢に失敗した地域から離れ、軍を東部のより強力な防衛陣地に再配置する案を話し合っているという。

ウクライナ支援の継続をめぐっては、議会の調整が滞っている。バイデン氏が10月から求める610億ドルの追加軍事支援を含む予算案について、国境沿いの警備強化を条件とする共和党と民主党の審議が難航。年内の成立を逃した。

27日には、現状では最後となる2億5,000万ドル規模の追加軍事支援を発表した。国家安全保障会議のジョン・カービー戦略広報調整官は今月中旬、「これが終わると、これ以上の補充権限がなくなり、議会に遅延なく行動してもらわなければならない」と危機感を示していた。

世論の支持も低下している。ギャラップが先月末に実施した世論調査で、バイデン氏のウクライナ対応について、58%が不支持(支持するは38%)と答えた。過去4回のうち最低レベルで、8月の調査から9ポイント低下した。

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ただし、選挙を来年11月に控えるバイデン氏にとって、目標変更にともなう政治的リスクを指摘する声もある。トランプ前大統領を含む共和党の候補者らはバイデン氏の取り組みを公然と嘲笑の的にしており、政権としてはプーチン大統領に優位性を譲ったように見えることは避けなければならない。ある議会関係者はポリティコに「こうした議論は始まったところだが、政治的リスクのために政権は公には後退することはできない」と語ったという。

ゼレンスキー大統領は先日、ロシアに平和的解決に向けた独自の提案を示す意向を明らかにしたが、ロシアが全軍を撤退させるという主張は揺るがないと明言している。

ここにきて、バイデン氏の発言に変化を見る向きもある。12月にホワイトハウスで行ったゼレンスキー大統領との会見で、ウクライナへの完全支持を表明する一方で、軍事支援をこれまでの「戦闘が続く限り」ではなく、「できる限り」続けると述べた。

一部の専門家は、この発言について、ウクライナが部分的勝利を宣言するとともに、部分的割譲を含むロシアとの停戦の道を探る準備をする合図であると考えているという。