『ROMA/ローマ』でNetflix初の作品賞ノミネート 第91回アカデミー賞注目の候補作品

22日、第91回アカデミー賞のノミネート作品が発表された。アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』(Netflix)と、ヨルゴス・ランティモス監督『女王陛下のお気に入り』が、最多10部門でノミネートを果たした。Netflix作品が、作品賞にノミネートされるのは、今回が初めてとなる。

北米で7億ドルの興行収入を達成したディズニーの『ブラックパンサー』は、スーパーヒーロー作品として初の作品賞ノミネートを果たした。

『ブラック・クランズマン』のスパイク・リー監督は、30年以上のキャリアで、初めて監督賞にノミネートされた。

『ROMA/ローマ』と『女王陛下のお気に入り』最多10部門ノミネート

『ROMA/ローマ』は、70年代のメキシコを舞台に、家族と家政婦との絆を描いたアルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuarón)監督の反自叙伝的ドラマ。作品賞のほか、監督賞、撮影賞、脚本賞、外国語映画賞など10部門にノミネート。
主役のクレオを演じたヤリッツァ・アパリシオ(Yalitza Aparicio)が主演女優賞、母親ソフィアを演じたマリーナ・デ・タビラ(Marina de Tavira)が助演女優賞にノミネートされている。

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『ROMA』は昨年ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞。Netflixでストリーミング配信のため、米国ではニューヨークやロサンゼルスなど一部の映画館で限定上映となった。

NYタイムズによると、外国語映画が作品賞に同時ノミネートされるのは、2013年のミヒャエル・ハネケ監督『愛、アムール』(Amour)以来。ミシェル・アザナヴィシウス監督のフランス映画『アーティスト』(The Artist)は2012年に作品賞を受賞した。

女王陛下のお気に入り
『女王陛下のお気に入り』 ©Yorgos Lanthimos (Rachel Weisz, Olivia Colman)

戦争下の宮廷内におけるレズビアンたちの勢力争いや、三角関係を描くブラックコメディ『女王陛下のお気に入り』(The Favourite)は、作品賞と監督賞、主演女優賞、助演女優賞、衣装デザイン賞など10部門にノミネート。
オリヴィア・コールマン(Olivia Colman) は主演女優賞に、レイチェル・ワイズ (Rachel Weisz)と、エマ・ストーン(Emma Stone)は助演女優賞にノミネートされた。

作品賞は8作品

ボヘミアン・ラプソディ
Alex Bailey/Twentieth Century Fox

視聴者の向上を目的に映画芸術科学アカデミーが新設した「人気作品賞」は幻に終わったが、今年は『アリー/ スター誕生』『ブラックパンサー』『ボヘミアン・ラプソディ』など多数観客を動員した作品がノミネートされた。
独立系映画の『女王陛下のお気に入り』『バイス』、米国の人種差別主義をテーマとした『グリーン・ブック』『ブラック・クランズマン』の8作品が選ばれた。

過去に白人中心主義的であると非難されてきたアカデミー賞だが、今年は、ブラックカルチャーや外国人監督、ゲイ、女性をテーマとした作品など、ダイバーシティに富んだ映画がノミネートされた。

『アリー/ スター誕生』と『バイス』は8部門ノミネート

レディーガガ
76th Annual Golden Globe Awards ©HFPA Photographer

『アリー/ スター誕生』は、予想よりも少ない8部門でのノミネーションとなった。監督デビューを果たしたブラッドリー・クーパー(Bradley Cooper)は、多くの予想に反し、監督賞の候補から外れた。
*「コールド・ウォー」(Cold War)のポーランド人監督、パヴェウ・パヴリコフスキ(Paweł Pawlikowski) がサプライズでノミネートされている。

ブラッドリー・クーパーの主演男優賞のほか、レディー・ガガ(Lady Gaga)は主演女優賞と歌曲賞、サム・エリオット(Sam Elliott)も助演男優賞にノミネートされた。

ディック・チェイニー(Dick Cheney)元副大統領の伝記映画『バイス』(Vice)は、作品賞ほか主演男優賞など8部門でノミネートされた。

『ブラック・クランズマン』6部門ノミネート

スパイク・リー
taniavolobueva / Shutterstock.com

70年代に黒人警察がKKK(白人至上主義団体)に潜入捜査を行った実話を描いたスパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』(BlacKkKlansman)は、作品賞、監督賞、アダム・ドライバー(Adam Driver)の助演男優賞、脚色賞、作曲賞など6部門にノミネート。
スパイク・リー監督は、初めて監督賞にノミネートされた。

『グリーン・ブック』5部門ノミネート

GREEN BOOK
©Universal Pictures

実在の黒人ピアニストと白人の用心棒の友情を描いた『グリーン・ブック』(Green Book)は、作品賞ほか、主演男優賞、助演男優賞、編集賞、脚本賞5部門にノミネートされた。

トロント映画祭では観客賞を受賞したが、米国の批評家からは人種を超えた友情の描き方が、陳腐だとして低評価となっている。
ゴールデン・グローブ賞受賞後、脚本家の1人で、実の息子のニック・ヴァッレロンガ(Nick Vallelonga)氏は、アンチムスリムのツイート発言や、ピーター・ファレリー監督の過去に行ったセクハラ行為が物議を醸した。2人はともに謝罪している。
また、ピアニスト、ドン・シャーリーの親類からは、話は実話ではないとの声も上がっている。

注目の主演女優/男優賞

『ローマ』のヤリッツァ・アパリシオ、レディー・ガガ、オリヴィア・コールマンは初めて主演女優賞にノミネーションを果たした。メリッサ・マッカーシー(Melissa McCarthy)は2度目のノミネート。
『クワイエット・プレイス』や『メリー・ポピンズ リターンズ』で好演したエミリー・ブラントは候補を外れた。

76th Annual Golden Globe Awards ©HFPA Photographer

主演男優賞は、ブラッドリー・クーパーほか、ディック・チェイニーを演じたクリスチャン・ベール(Christian Bale)、フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレック(Rami Malek)、ゴッホを演じたウィレム・デフォー(Willem Dafoe)、ヴィゴ・モーテンセン (Viggo Mortensen)など強豪揃いとなっている。

日本からは『万引き家族』と『明るいミライ』

SHOPLIFTER 万引き家族
©Magnolia Pictures

カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドール受賞の是枝裕和監督『万引き家族』(Shoplifters)が外国語映画賞に、細田守監督の『未来のミライ』(Mirai)が長編アニメ賞にノミネートされた。

ノミネートを逃した作品/人は?

デイミアン・チャゼル監督や、バリー・ジェンキンス監督など、作品賞受賞監督の作品が候補から外れた。
『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督のニール・アームストロングのドラマ『ファースト・マン』は、ノミネートを外れた。
ムーンライトバリー・ジェンキンス監督の『ビール・ストリートの恋人たち』(If Beale Street Could Talk)は作品賞の候補を外れた。レジーナ・キング(Regina King)は助演女優賞にノミネートされている。

『クワイエット・プレイス』や『メリー・ポピンズ リターンズ』で好演のエミリー・ブラントは候補を外れた。

ドキュメンタリー部門では、評判の高かったフレッド・ロジャース(Fred Rogers)の「Won’t You Be My Neighbor?」は候補から外れた。
ルース・ベイダー・ギンズバーグ米最高裁判事の『RBG』はノミネートされている。

司会役は?

司会役に内定したケヴィン・ハート(Kevin Hart)は、過去の同性愛者への差別発言が多くの批判の的となり、司会降板を発表した。その後新たな司会者は発表されていない。
受賞式の時間を3時間に短縮するため、いくつかの賞は、オンエアから外されるが、具体的な賞は発表されていない。

賞の開催はいつ?

アカデミー賞授賞式は、現地時間2月24日夜(日本時間25日午前)に開催される。米国ではABC、日本ではWOWOWで放送される。
アカデミー賞ノミネート作品一覧(英語)

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