米最高裁 トランプ政権のトランスジェンダー米軍入隊禁止を容認

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米連邦最高裁判所は22日、トランスジェンダーの軍への入隊を禁止するトランプ政権の措置に関し、当面の間実行可能とする裁定を下し、下級裁判所の、入隊禁止を一時的に差しどめとする裁定を覆した。

裁定は5対4で、昨年、トランプ大統領によって指名され、新たに最高裁判事に就任したブレット・カバノー判事を含む、保守系判事5人が、当面の入隊禁止を認める側についた。

裁定は、トランスジェンダーの入隊禁止の合憲性や大統領権限の範囲を問うものではなく、地方裁判所および控訴裁判所での審理の間の実行を認めたものにすぎない。司法省は、入隊禁止措置について、下級裁判所での審理を経ずに最高裁での審理を求めたが、認められなかった。

従来、トランスジェンダーの入隊は制限されてきたが、オバマ政権のもと、方針を変換。2016年に、すでに入隊しているトランスジェンダーに、公言して軍務に従事することを許可し、2017年7月1日から、トランスジェンダーの入隊を許可することを決定した。

しかし、トランプ大統領はさらなる調査が必要だとし、受け入れを延期。7月にはツイートで、トランスジェンダーの米軍入隊を禁止とする意向を表明した。のちに軍隊に、オバマ政権以前の方針に戻すよう指示した。

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「我々の軍隊は、決定的で圧倒的な勝利にこだわらなければならず、トランスジェンダーの入隊にともなう巨額の医療費や混乱の重荷を負うことはできない」

その後、政権の決定を不服とするトランスジェンダーの兵士らを代表するグループなどがトランプ政権を訴え、複数の連邦地裁で、入隊禁止措置を一時差しどめとする裁定が下っていた。