ハロウィンで「ダーマー」仮装は不謹慎、遺族が怒り

522

Netflixドラマをきっかけに改めて注目が集まった米国の連続殺人鬼ジェフリー・ダーマー。ハロウィンを前に、ダーマーをイメージしたコスチュームがオンラインショップに多数出回っている。これに対し、被害者の遺族から怒りの声が上がっている。

ダーマーは1992年、17人の男性を殺害したとして、終身刑を命じられた。その2年後、刑務所内で他の囚人に撲殺された。若いゲイの男性を狙って殺人を繰り返し、カニバリズムや解体した死体を自宅に保管するなど残酷な行為で知られ、”ミルウォーキーの食人鬼”とも言われる。

米国のアマゾンで検索すると、金縁のアビエーター眼鏡や、オレンジ色の囚人服、Tシャツなどが上位に現れる。Etsyでも「(連続殺人犯)テッド・バンディのように首を絞め、ダーマーのように食べて」といった悪趣味なメッセージが書かれたTシャツや、まな板、肉のイラストの入ったスニーカーなどが販売されている。

Amazon
Etsy

被害者の1人、トニー・ヒューズさんの母親シャーリーさんはTMZに対し、衣装は「不謹慎」で「遺族を搾取するものだと」と非難した。

「ドラマを見て既に大きなトリガーとなっている。ましてや殺人鬼の衣装を着た人々など見たくない。遺族には一銭にもならないのに、Netflixやオンラインストアが息子の死で利益を得ているのを見るのはつらい。商品を取り下げるか、遺族に利益を与えるべきだ」と主張した。

Advertisement

続けて「もしネトフリが番組を配信していなかったら、どの遺族も再び被害者となることはなかった。そして今年、ダーマーのコスチュームを見ることもなかった」と指摘。ダーマーは「純然たる悪」であり、彼の衣装を選んだ人々が、どのようにして夜眠れるのか想像もつかない」と怒りを露わにした。

なおeBayは批判を受け、関連商品を削除した。広報担当者はTMZに「ヘイトや暴力、犯罪行為を美化するような出品を禁止している」と理由を説明している。

なおライアン・マーフィーが監督したネトフリのドラマ「ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」(DAHMER – Monster: The Jeffrey Dahmer Story)は11日、9月21日の配信開始以来、3週間連続、英語のTV番組で1位を獲得した。視聴時間は「ストレンジャー・シングス 4」に次ぎ、歴代2位(7億137万時間)だという。