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NY市 アメリカ自然史博物館のルーズベルト像撤去へ

アメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History)は21日、入り口に設置されているセオドア・ルーズベルト大統領の像を撤去すると発表した。

デブラシオ市長は声明で「アメリカ自然史博物館は、セオドア・ルーズベルト像が黒人と先住民が劣っているという考えを示しているため、市に対して撤去を依頼した。市はその要請を支持する。問題のある像を撤去するには、正しい決定かつタイミングだ。」と述べた。

馬上のルーズベルト氏の両脇に、アフリカ人と先住民が並ぶ構図の像は1940年から設置されている。

セオドア・ルーズベルト像アメリカ自然史博物館
©mashupNY
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ミネアポリスのジョージ・フロイドさんの死亡事件を契機に、差別や奴隷制を象徴する像の撤去や、施設の名前を変更する声が全米で高まっている。ポートランドでは、ジョージ・ワシントン像が抗議者によって破壊された

ニューヨーク市では、先住民の虐殺を行ったとして、抗議者はイタリア人探検家クリストファー・コロンブス像の撤去を求めている。また市議会議員は、トーマス・ジェファーソンの像を市庁舎から取り除くよう提案している。

▲コロンバスサークルのコロンバス像前でデモ活動を行う人々 ©mashupNY

ポートランドのジョージ・ワシントン像などは抗議者によって破壊されたが、同博物館は自ら撤去を申し出た。

博物館の理事会メンバーでもあるルーズベルト家は、像の撤去を認めると声明を発表した。「世界は、過去の遺物を必要としていない。像は称えることを意図した人物の価値観、平等や正義の価値観を反映したものではない。像の構図は、ルーズベルトのレガシーを表すものではない。像を除き、前進する時だ」と述べた。

同美術館の館長エレン・フッター(Ellen V. Futter)氏は、ニューヨークタイムズのインタビューで「フロイドさんの殺害後、人種間の平等を求める運動の広まりに深い感動を覚えた。国民は、像をますます体系的人種差別の痛ましいシンボル、かつ強力なものとして見るようになった。」と語っている。レガシーの保存のため、「種の多様性ホール」(Hall of Biodiversity)にルーズベルトの名前が加えられるという。フッター氏は、ルーズベルト大統領の功績ではなく、像自体のみに問題があると考えていると述べた。

像製作の経緯は?

セオドア・ルーズベルト像アメリカ自然史博物館
©mashupNY

像は、元ニューヨーク州知事で大統領だったルーズベルト氏の死後、州による記念施設の建設事業の一環として1925年に依頼され、1940年に公開された。

自然主義者で自然史に関する著者としてのルーズベルトを称えるとともに、博物館の創設に寄与したルーズベルトの父およびルーズベルト家との歴史的つながりを示している。

作者のジェームズ・フレイザーは馬上のルーズベルトの脇に立つ先住民と黒人の像について、「ルーズベルトのすべての人種との友情を表している」と語ったという。ニューヨーク市立大学のハリエット F.セニー教授は、2体の像はルーズベルトが狩猟をした大陸を表しており、黒人像をアフリカ系アメリカ人というのは不可能だと説明している。

しかし、像は差別や人種のヒエラルキーを象徴しているとして、長らく議論の対象となってきた。
白人至上主義者と反対派の衝突から死者を出したシャーロッツビル事件をきっかけに、撤去を求める声が高まると、ニューヨーク市は2017年に特別委員会を通じて、コロンブス像などとともに撤去の可能性を検討した。結果、存続が決定したが、建設意図や現在の解釈といったより多くの情報を提示することが義務付けられた。

セオドア・ルーズベルト像アメリカ自然史博物館
©mashupNY

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