悪評が止まらない、米人気ラッパーのリゾがセクハラで訴えられる

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グラミー賞受賞の人気ラッパー、リゾ(Lizzo)の悪評が止まらない。

3人の元バックダンサーが1日、職場でセクハラや、体型を揶揄するボディ・シェイミングを受けたとして、リゾとリゾのプロダクション会社ビッグ・ガール・ビッグ・ツーリング、ダンスチームの指導者を相手取り、損害賠償を求める訴えを起こした。

ロサンゼルス郡の裁判所に訴訟を提起したのは、アリアナ・デイヴィス氏とクリスタル・ウィリアムズ氏、ノエル・ロドリゲス氏。3人は2021年、ダンサーのオーディション番組「Watch Out for the Big Grrrls」に出演し、リゾと仕事をし始めた。

リゾと原告らは今年2月、アムステルダムのヌードクラブを訪れた際、リゾが、スタッフに裸のパフォーマーに触れさせようとしたほか、彼らの膣から出た性具を掴んだり、膣に入ったバナナを食べさせようとしたという。デイヴィス氏は何度も拒否したが、リゾは周囲を煽り、パフォーマーの胸に触るよう「圧をかけた」とも主張している。

また体重が少し増えた際、リゾと振付師は、デイヴィス氏がプロ意識に欠けると「遠回しに懸念を示した」という。

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ダンスチームのメンバーを脱退する際、リゾは叫んで、拳を振り上げるなど、暴力を振るうようなそぶりを見せたほか、「バイ!ビッチ」と吐き捨てたという。

またダンスの指導者のシャーリーン・クイグリー氏に関しては、番組の撮影中、デイヴィス氏が処女だということに関心を持ち、「日常的に」会話で口にしたり、許可なくSNSで公表したりした。

クイグリー氏は、ダンスメンバーに「絶え間なく」、自慰行為や性的空想の詳細を話したり、バナナを使ったオーラルセックスの技術を見せつけたりしたこともあった。

リゾはこれまで、「ボディ・ポジティブ」を推進してきたアーティストとして知られる。SNSに加工修正されていない写真を投稿し、ファンに対して、自分の体やライフスタイルの選択に自信を持つよう呼びかけてきた。

業界人も「嘘で作り上げたブランド」

ロスで活躍する著名な映像監督からも、リゾを非難する声が上がった。

アカデミー賞にノミネートされたこともあるソフィア・ナーリ・アリソン氏は、自身のTwitterを更新し、2019年にリゾのドキュメンタリーの撮影に同行した際、「見下された」ため、「2週間で(その仕事から)離れた」と明かした。リゾは、「傲慢で自己中心的、思いやりのない」人物だと非難。具体的な説明はなかったものの「ガスライト(心理的な虐待)」され、「深く傷つけられた」と綴っている。

アリソン氏は別の投稿で、リゾは「極めて有害で、敵対的な職場環境を作り上げている」「ナルシストないじめっ子で、嘘でブランドを作り上げた」と厳しく批判し、訴えを起こしたダンサーらへの支持を表明した。

また、歌手でリゾの元クリエイティブディレクター、クイン・ホイットニー・ウィルソンもSNSで、この問題に光が当てられたことを歓迎すると投稿。「自分自身の体験でもあり、深く悲しんでいる」と心境を綴った。元ダンサーも「私の経験と同じ」と告白し、訴えを起こしたダンサーの勇気を称えた。

リゾは3日、訴えに対し「通常、虚偽の申し立てには応じないが、放置するにはあまりにひどい」と声明を発表。対抗する姿勢をみせている。