530億円の支払命令、トランプ氏は工面できる?

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トランプ氏や一族企業が有利な融資条件を得るために、金融機関に資産価値を偽っていた問題で、ニューヨーク郡裁判所のアーサー・エンゴロン判事は17日、トランプ氏らに約3.55億ドル(530億円)の支払いを命じる判決を下した。

ニューヨーク州司法長官が提訴に踏み切ったのは2022年9月。昨年10月から2ヶ月間にわたって審理が行われ、今年1月に最終弁論を終えた。

ニューヨークタイムズ紙によると、利息を加えた支払い額の合計は4.5億ドルを超えると推定される。これとは別に、トランプ氏は先月、女性作家E・ジーン・キャロル氏へ8,330万ドル(125億円)の賠償金の支払いを命じられている。

ワシントンポスト紙によると、判事は、トランプ氏に今後3年間ニューヨークのいかなる企業の役員および取締役に就任することを禁止するとともに、長男ジュニア氏と次男エリック氏にも経営に2年間携わることを禁じた。さらに、判決に関わったトランプ氏の企業が、ニューヨーク州に登録している金融機関に融資を求めることを今後3年間禁じるとした。

40 Wall Street – The Trump Building
40 Wall Street – The Trump Building ©MashupReporter

5億ドルの支払いは可能?

キャロル氏の損害賠償金を合わせると、トランプ氏に課せられた金額は5億ドルを上回る。フォーブス誌の昨年の推定では、純資産は26億ドルとしており、これが正しければ資産の5分の1を失うことになる。上訴の行方次第では一部またはすべてが返ってくるかもしれないが、まずは全額の支払いに迫られる可能性がある。ロイターによると、控訴中も全額と利息を預け入れるよう要求されるのが一般的とされている。

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フォーブスはトランプ氏の現金と流動資産を4億2,600万と推定しており、本人も昨年の証言録取で、現金資産を4億ドル以上と証言している。この場合、5億ドルを用意するために、トランプ氏は不動産や別の資産の売却を余儀なくされることになる。

裁判を選挙介入に当たると繰り返し非難しているトランプ氏だが、選挙で支持者らから集めた資金を流用することも不可能と考えられる。英紙ガーディアンによると、選挙資金に関する連邦法は、候補者が選挙資金を私的に使用することを禁じている。

なお法的費用の一部は、トランプ氏の選挙活動委員会が負担している。Axiosによると、トランプ氏の「Save America」選挙活動委員会は昨年、法律コンサルティング費用として4,700万ドルを費やした。

万が一、支払いを拒否したらどうなるか。

元大統領といえども、一般人と同様に給与や資産が差し押さえの対象になるという。ミシガン大学の法学教授ウィル・トーマス氏はABCニュースの取材で、裁判所は「特に州内に物的資産を持っているトランプ氏のような人物に巨大な権限がある」と指摘。 「銀行口座を凍結すると言うかもしれない。 最悪の場合、トランプタワーを押収し、売りに出すと言うかもしれない」と解説している。