「幸運を祈る」トランプ氏、汚職で起訴されたNY市長にエール

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トランプ前大統領は26日、マンハッタンのトランプタワーで開いた記者会見の質疑応答で、司法省に起訴されたニューヨーク市のエリック・アダムス市長につ言及。バイデン政権の移民対策を非難したことで、標的にされたとの考えを示した。

ニューヨーク州南部地区の連邦検事局は同日、 外国人からの選挙資金の受け取りや通信詐欺、収賄など5つの罪でアダムス氏を起訴した。

ダミアン・ウィリアムズ検事は起訴状の中で、ニューヨーク市長やブルックリン区長としての立場を利用して、トルコ政府関係者から「賄賂を受け取り、不法な選挙献金を募る」など、外国人から不適切かつ違法な利益を得ていたことが確認されたと主張。その見返りとして、安全上の懸念が指摘されていたトルコ領事館の高層ビルを「消防検査なしで開業させる」など、「有権者よりも、外国人を含む献金者の利益を優先させた」と非難した。

アダムス氏は、トルコ政府関係者から得た不正な利益を隠蔽するため、書類を偽造したり、不正行為に関与した人々のメッセージを削除したりするなどの措置を講じていたという。

現役のニューヨーク市長が連邦レベルの犯罪捜査で起訴されたのは今回が初めて。アダムス氏は27日、連邦地裁で罪状認否を行い、無罪を主張した。辞職の呼びかけには応じないとしている。

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「公正な司法省とFBIが必要」

記者からアダムス氏について尋ねられたトランプ氏は、起訴は予見されていたと説明。ニューヨークに移民を送り込むのは”不公平”と、強く反発したアダムス氏は「正しかった」と指摘する一方で、アダムス氏が「不法移民が街を傷つけている」と連邦政府を非難し、費用の支払いを求めていたのを見て、「彼は1年以内に起訴されるだろう」と感じたという。「私はまさに正しかった」と振り返った。

「司法省とFBIを前例のないレベルで利用している人々がいる。だから私は彼の幸運を祈っている。彼が何をしたかは知らないが」と同情を示した。司法省については「彼らは悪意のあるプレーヤーだ。悪い人々だ。われわれは公正な司法省とFBIを必要としている。すぐにでも必要だ」と改革を訴えた。

トランプ氏は会見で、バイデン/ハリス政権の移民対策の非難を繰り返した。

「最悪の統計ともいえる32万5000人の子供を失った。彼らは死亡したか、性奴隷として売られたか、単に行方不明になった」と述べ、再選した場合、地元警察の協力を得て、大規模な強制送還を実行すると発表した。

「アイゼンハワー大統領が実施したもの(移民の強制送還)より大規模なものになるだろう。麻薬密売人を排除し、人身売買業者を排除する。殺人犯、刑務所から出所してきた人々、精神病院から出てきた人々を排除する」「彼らは全員いなくなる。非常に迅速にそれは起きる」と国境の安全確保を約束した。

ハリス氏がアリゾナ州とメキシコとの国境を訪問する計画を発表したことについては、「極めて無能、無力、役立たず」と一蹴した。

なお、国土安全保障省が8月に公表した報告書には、2019年から2023年の間、3万2000人の移民の子供が予定された移民裁判の審理に出廷せず、2024年5月時点でまだ審理が行われていない子供の数は29万1000人と記載されている。地元メディアNY1は、トランプ氏が指摘する32万5000人は、この報告書に基づいているが、死亡や消息不明、性奴隷として売られたといった主張には、「根拠がない」と伝えている。