トランプ氏制御不能に?NY詐欺裁判で最終弁論

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マンハッタンの裁判所で弁護側の最終弁論を終えたトランプ前大統領は、原告の弁論を聞かずにウォール街にあるトランプビルに移動。記者会見を開いた。

訴訟は、トランプ氏が金融機関から有利な融資条件を引き出すために不動産や土地などの資産価値を不正に水増ししたとされるもので、原告のニューヨーク州司法長官は裁判所に、トランプ氏をはじめとする一家のメンバー、トランプオーガーニゼーションに対して不法に得た収益3億7,000万ドルの支払いや、不動産業界への参加および州内企業での役員就任を生涯禁じるなどの制裁を命じるようを求めている。

午後3時頃に到着したトランプ氏は会見で、ジェームズ長官を「ポリティカル・ハック」「腐敗した司法長官」「重度のトランプ錯乱症候群」などと批判。「われわれはすでに控訴裁判所でこの訴訟に勝訴した」と述べ、裁判を担当するアーサー・エンゴロン判事について「その意見を受け入れるのが非常に遅かった。なぜならそれは彼が望む意見ではないからだ」と加えた。「真の意味での魔女狩りで選挙妨害」、バイデン氏を勝たせるための「策謀」と不満を続けた。

ドナルド・トランプ
40 Wall st. トランプビルを出るトランプ氏©MashupReporter

法廷では、判事が提示した弁論の条件に合意しなかったことから、自らの口で弁論する機会を与えられないはずだったが、判事から「もし5分間話す時間を与えたら、法律や事実以外のコメントをしないことを約束できるか」と尋ねられると、許可を得ずに早口で反論を繰り広げたという。

司法長官を指して「わたしは立候補している誰かさんから迫害を受けており、(発言の)制限の枠を超えざるを得ない」と主張。「わたしに陪審は与えられず、権利を奪われた。これは詐欺ではなくわたしへの詐欺だ」「私はこの街のいたるところにビルを建てているが、問題といえば、私が立候補したからだろう」「(司法長官は)わたしが嫌いで、当選してほしくないのだ」などとまくした。判事があと一分間以内で終えるよう警告すると「あなたには自分のアジェンダがある。一分以上聞くこともできないのか」と批判。見かねた判事がトランプ氏の弁護士に「あなたのクライアントを制御しなさい」と忠告する場面があったという。

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アイオワ州党員集会を来週に控えるトランプ氏にとって、訴訟はメディアを独占するチャンスでもあり、会見の様子はCNNやFOXニュース、MSNBCなど主要ケーブルニュースによって中継された。多数の訴訟を抱えるトランプ氏は今後「すべての裁判に出向く」予定だという。