「王様じゃあるまいし」ヘンリー王子夫妻 パパラッチ写真の提出要求も、拒否されてしまう

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ヘンリー王子とメーガン妃は、写真エージェンシーに対して、パパラッチがニューヨークで撮影した写真や動画を提出するよう要求していたことがわかった。

夫妻は16日、非営利団体が主催するイベントに出席するため、母親のドリア・ラグランドさんと共に、マンハッタンを訪れていた。夫妻は翌日、広報担当者を通じた声明で、会場を出た3人が、パパラッチと「2時間以上カーチェイス」を繰り広げるなど執拗に追跡され、「大惨事になりかけた」と報道体制を厳しく非難した。

TMZによると、夫妻の弁護団はバックグリッド社に対し、フリーランスのカメラマンが撮影した「すべての写真やビデオ、フィルムなどのコピーを直ちに提供するよう」求めたという。

この要求をバックグリッド側は拒否。代理人を通じた書簡で「米国では、所有権はその者に属する」と回答。「国王の如く、第3者がそれを捧げるよう要求することはできない」と王室を離脱した夫妻に皮肉で応酬した。続けて、追跡中は「衝突どころか、衝突しかけたこともなかった」と夫妻の主張を真っ向から否定している。

なおTMZに掲載された動画では、夫妻が追跡の途中で乗り換えたイエロータクシーが、渋滞もしくは信号で停車した際、カメラマンが車を取り囲み、夫妻を撮影する様子が写っている。車から出てきた警護が後退するよう求めると、カメラマンは「わかった」と答え、すぐに引き下がった。

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バックグリッドはPageSixの取材に、16日の出来事については調査を続けるとしつつも、カメラマンからは「どの時点においても、夫妻に差し迫った危険はなかった」と報告を受けていると明かした。

夫妻がパパラッチを「非常に攻撃的」と表現したことについて、同社は「彼らが唯一所持していた道具はカメラだけ。何の苦痛や害も与えていない」と反論。さらにカメラマンには、ヘンリー王子やメーガン妃のような「著名な公人を含むニュース価値のあるイベントや、人物を取材する職業上の責務がある」と主張した。

警察からも疑問の声

夫妻の主張に関しては、警護をアシストする任務を担ったニューヨーク市警察の関係者からも疑問の声が上がっている。

報道官は声明で、この日「衝突や出頭を命じられた者、負傷者、逮捕者」などの報告はなかったと回答。複数の警察関係者は、ニューヨークポスト紙に対し「間違いなく、2時間ではなかった」「高速で追跡する場面はなかった」など、夫妻の言い分を否定した。

エリック・アダムス市長は、ダイアナ妃の悲劇に触れ、「公共の安全が最優先」と過剰な報道を戒めつつ、「2時間の高速のカーチェイスがあったとは信じがたい」と語った。

なお、夫妻が手配した民間の警備会社側が、パパラッチを煽っていたという声も上がっている。当日2人を取材していたカメラマンの1人はPageSixの取材に、むしろ危険な運転をしていたのは夫妻の警備側で、彼らが「翻弄、挑発」していたと証言している。