プチ旗下結集効果?家宅捜索でトランプ氏の支持率上昇

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FBIによるトランプ氏宅の家宅捜索後に行われた世論調査で、共和党の間でトランプ氏の支持率が高まったことがわかった。

調査はポリティコとモーニングコンサルトが実施したもので、それによると、共和党の有権者または共和党寄りの無所属で、2024年共和党予備選挙でトランプ氏に投票すると答えたのは57%となり、前回7月の53%から上昇した。2位のフロリダ州のロン・デサンティス知事は17%で、前回の23%からダウン。トランプ氏との差は40%に開いた。ポリティコは、危機時に政権などへの支持率が短期的に高まることを指す「(プチ)旗下結集効果」が共和党有権者の間で起きたのではないかと伝えている。

今回の家宅捜索について、有権者全体では約半数(49%)が、FBIの決定を支持すると回答。支持しないと答えたのは37%だった。両党で回答に大きな開きがでたが、無所属では47%が支持、33%が不支持だった。

このほかの質問では、トランプ氏が違法行為をしたと思うかとの問いに、42%が「絶対」、16%が「おそらく」と答えた。

トランプ氏に批判的なことで知られ、次期大統領選への出馬が期待されるメリーランド州のラリー・ホーガン知事(共和党)も14日のテレビインタビューで、家宅捜索がトランプ氏の支持押し上げに一役買ったとの見解を示した。

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ホーガン氏は「今週はドナルド・トランプにとって勝利だった」と指摘。「彼の支持基盤をやる気にさせて、あたかも彼がいじめられて、ひどく苦しんでいるかのように、人々を弁護に駆り立てた」と語った。

一方で「話は終わっていない」と述べ、状況の変化に期待する考えを示唆した。

共和党議員らの間でFBIに対して予算削減やナチスの秘密警察に例えるなどの過激な言動が飛び出していることについて、「非常に懸念している。とんでもないレトリックだ」と非難。「いたるところで脅迫が起きており、法執行機関と司法制度への信頼が失われることは、国家にとって深刻な問題だ」と語った。さらに下院の党指導層が捜査を「司法の武器化、政治化」といったトランプ氏と同様のレトリックで批判していることについて、十分な情報がない中での「結論の飛躍」で「誤りだ」と指摘。「有罪が証明されるまでは誰もが無実だ」と述べつつ、「この捜査がどこに向かうのか、見届けなければならない」と語った。