サンフランシスコ市 ホームレスを一掃?習近平氏の訪問に備え

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米中首脳会談を控えるサンフランシスコ市では先週、一部の地域でホームレスのテントや薬物中毒者を一掃する対策が講じられた。一時しのぎの解決策に住民から、非難の声が上がっている。

今週3日間にわたって開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議には、国内外から2万人以上の要人が訪れる。

地元住民はニューヨークポスト紙に、この1週間でテンダーロインとサウス・オブ・マーケット(SoMa)の道路に設けられていた路上生活者のテントが撤去されたと明かした

ミッションストリートにある連邦ビル周辺にあった違法薬物のマーケットも一掃されたという。米保健社会福祉省(HHS)は8月、建物周辺の「状況を踏まえ」、しばらくの間「テレワークを最大限に活用するよう」職員に命じたと伝えられるなど、治安の悪化が懸念されていた。

SNSには、テントの代わりに鉄柵やプランターが設置され、小綺麗になった道路の様子が投稿されている。

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サンフランシスコ・クロニクル紙が入手した電子メールによると、市の道路環境サービス部門の幹部らは、会議が開催されるコンベンションセンター付近の「歴史的なテント村に懸念」を示しており、APECに向けて対応するよう求めていた。

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は9日の会見で、「上級指導者が来るから街を清掃している」と指摘されているのは、「真実」と認めつつ、プランターの設置は、クリーン・カリフォルニア・プログラムの一環で、何カ月も前から議論されてきたと主張した。

ABC7によると、同プログラムがスタートしたのは2021年。州予算12億ドルを使って、路上のテントを撤去し、街路樹に置き換える取り組みが進められているという。

ニューサム氏は、プランターが設置されたタイミングについて「家に人が集まる時は掃除をし、ベッドメイキングをするものだ」と説明。ゴールデンゲート・ブリッジは、習近平国家主席の思い出の場所でもある(1985年にサンフランシスコを訪問)と加えた。

住民から「根本的な解決ではない」

ある活動家はポスト紙に、APECが終わると徐々に元通りになるだろうと述べ、「われわれが必要としているのは、恒久的な解決策だ」と市の対応を非難した。

SoMaの住民でデリを経営するアダム・マズニック氏は、過去1週間でホテルに仮説住宅が設けられたと明かし、市は「幻想作りとパフォーマンスアートが上手い」と皮肉った。