テキサス新幹線計画 日米首脳会談で協議か

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新幹線
tackune/shutterstock

10日に予定する日米首脳会談の中で、バイデン大統領は岸田総理とテキサス州ダラスとヒューストン間を結ぶ高速鉄道の計画について話し合う可能性があるという。ニューヨークポスト紙が情報筋の話として報じた。

日本の指導者として安倍氏以来9年ぶりの国賓待遇の訪問となる岸田総理は、裕子夫人とともに8日に米国に到着。9日にホワイトハウスでバイデン夫妻と会い、写真を撮影をした後、夕食のために高級シーフードレストラン「ブラックソルト」に向かったと伝えられている。10日に公式訪問し、首脳会談と公式晩餐会を予定している。

ポスト紙によると、複数の情報筋は最終的に変更される可能性があるとしつつ、ダラス-ヒューストン計画が会談の議題に含まれ、その後の共同声明で言及される見通しを語ったという。

高速鉄道構想は、テキサス・セントラルと呼ばれる民間組織がダラス-ヒューストン間を90分で結ぶプロジェクトを2014年から進めているが、CNBCによると、環境審査や土地買収を含む様々な規制上の問題で繰り返し遅延を余儀なくされている。新幹線のN700系車両を活用する計画で、実現のコストは336億ドル(5兆円)と試算されている。

2022年にCEOが辞任し計画が暗礁に乗り上げたかに見えたが、昨年6月、テキサス州最高裁判所が同社に土地収容の権利を認めたことで、一縷の希望がもたらされた。昨年8月にはアムトラックがプロジェクトに加わり、12月に同計画の研究費用として50万ドルの連邦補助金を獲得。実現に向けて再び動き出した。

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今週日曜日、ピート・ブティジェッジ運輸長官はNBC5のインタビューで「我々はこれを信じている」と語るなど、計画を支持する意向を改めて明らかにした。

AP通信によると、首脳会談では在日米軍と自衛隊の連携改善に向けた指揮系統を近代化する計画で合意するとみられているほか、西太平洋における米軍の作戦支援に向け、兵器の共同生産を含む防衛産業協力の新たな取り組みも期待されている。また、NASAのアルテミス計画への日本の参加も確認するとみられている。